かわいい封筒の、内容の無い手紙がきた。
独居する長女からだ。封筒だけでなく便箋も凝っていた。
レーザーカッターだろうか。ぼくの手づくりの技でもむつかしい。
仕事が忙しくて、8月はほぼ毎日深夜帰りでしたが、ようやく今週で忙しさから解放されます。おかげで日本代表の試合も見られず。
ー中略ー
相変わらずおせえんだな。IT業界でよくもっているものだ。尊敬に値する。ちなみにぼくはTVは無いから知らんが代表の試合はつまらん。いつまでも本田•香川•ザキオカじゃ勝てっこない。98年の仏W杯直前合宿で、カズ•北澤•市川を帰国させた岡ちゃんの手腕がピカリとするよ。
話しは戻りますが、日本代表はここ数年本当に試合がつまらないですね。Jリーグの方が代表より面白い気がします。
ー後略ー
トゥーリオは観たい。しかしこの手紙、サッカーダイジェストかって(笑)あまりに内容が乏しいので、実は端を縦に読んだら暗号があるのかと思ったが、なかった。実は回文になっていて最後から読むと重大発表があるのかと思ったら、なかった。
IT系に文を書かせたらこんなもんだ。まあ手紙なんて内容が無くていいのだ。普段書いている電子メールは「わかりやすく」「簡潔に」「(きつい表現になりがちなので)やさしく」とこうるさいルールばかりでサツバツとしているのだろう。手書きの手紙はほのぼのしてればいいのだ。
おっと。
もう一度読むと、中略の部分に重要な情報がさらりとあった。岩手の山奥に棲んでいる次女が上京する。しばらく滞在するという。<もうすぐ>とはいつからだ?ある人に五寸釘を刺しておきたい事項があり、次女はその人とぼくの伝令役なのである。次女に五寸釘をメールしようと思っていたところだった。
すると、うーむ…
長女は次女の上京を伝えるためだけに、この手紙を寄越したのかもしれない。鮮やかな暗号文だ。だが不憫でもある。脳がいろんな思いでいっぱいになった。
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