印刷バンザイというわけじゃないけれど、さみしい…
印刷しない時代が趨勢になったと言えばそれまでだ。品質より低コストを望む客には勝てないし、DTPで自分/街角で印刷ができるようになったのもイタイ。でも印刷が無くなったわけじゃない。経営はたいへんだったのだと思うけれど、生き残ってほしかった。
三和印刷、本日営業停止。がらん。ごろん。がらんごろん。
クオリティの高い印刷ができた会社であった。ヨソでできない印刷や紙使い、抜き型加工、冊子•案内状や招待状のオリジナリティ追求姿勢、鮮やかプライク名刺、透けて見えるパチカ名刺…。なんでもござれ。品質をムネとしてやってきたのが神田須田町で半世紀がんばった三和印刷だった。
ぼくらビル内のギャラリー活動でも有形無形にお世話になった。イベントのDMを作ってもらった。ポストカードも印刷してもらった。商品開発に付き合ってもらった。商品を作りキットを作ってもらった。出荷もしてもらった。名刺も刷ってもらった。ツカ見本をもらった。ぼくは反古の紙をいっぱいもらって手製本した。その反古紙の多種多様で高品質なこと、楽しかった。
この低コスト•低品質•拝スピードのクソな時代にすごいことだ。手間暇かけて納得できるまでやるプロの仕事をやる会社がまた一社減った。
安かろうそこそこでオッケーでいいのか。早く安けりゃぼくらは幸せなのか?
それを「ありがたい」のは否定しない。ありがたいが幸せじゃない。早いは「便利です」が幸せじゃない。低コストはありがたいがプロの香りがそこにはない。幸せじゃない。つまりこれまでの成長主義がすべてが正しいわけじゃないのだ。
お客も同業者もデザイナーも社員も経営者も、ぼくらのような部外者的な部内者も、みんなで改めて大合唱しようぜ。
三和印刷さん、ありがとうございました!
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