1パーセントのスーパー謙虚

阪神の藤浪晋太郎投手。今季の成績は35敗、一軍から降格もされて来季年俸は4000万円減という。前季は7勝であり、その前の3年間はすべて10勝以上である。2年前に何が起きたかといえば「監督が代わった」。それ以来彼は成績が上がらない。どれほど因果関係があるか憶測に過ぎないし、あらゆる報道を読んでいるわけでもないが、ボスやその手下との相性が悪いのだろう。論のない指示や、理のない指導に飽き飽きしているのだろう。

スパルタ、鉄の意志、そういう価値観が彼には合わない。と言って彼に努力がないわけではない。彼ほどの超一流にはそんなことはわかっている。その精神論に反発してやる気が失せている。コントロールが定まらず、暴投するというのは、技術よりも心の問題である。理不尽な罰則投球を命じられる姿を見て、科学的なトレーニングコーチもいない環境を知ると、私は外野席から彼のために心を砕いてしまう。

気迫、気概、つまりやる気は、本人の自律心、自主性から生まれる。押し付けからは生まれない。自由な環境からしか生まれない。自由が損なわれた環境では、経験の少ない若い人や心の優しい人から窮屈になってゆく。才能が潰れてゆく。「勉強しなさい!」と言われた子供ほど伸びないものだ。「これしなさい、これしちゃだめ」と言われるほどに無気力になってゆく。やがて親に反発し、あるいは引きこもりになる。

圧政下からどのように脱出できるのだろうか。もちろん「イチ抜けた!」とその環境から抜け出せれば一番いい。藤浪投手は契約や野球協約があるから、他チームにまだゆけない。引退になるのだろう。我々社会人もすぐに会社をやめーた!この仕事やーめた!と言えない立場も事情もある。さてどうするか。最後の手段はこれだろう。

1パーセントのスーパー謙虚。

99%までは圧政するボスやその手下、仕事の環境が悪いのだ。それは絶対に間違っていない。わかっています。だがそうであっても、それは100%ではない。少なくとも1%は自分の不出来のせいがある。いやほんとは10%、20%、30%あるかもしれない。まあ何%でもいい。大切なことは真っ暗な底で、そう考えられるスピリッツを持てるかどうかである。スーパー謙虚になってもう一度仕事の原点からやり直せえるかどうかである。最後の力を振り絞ってシンプルにコアだけをやる。存外突破口になるかもしれない、技量が上がるかもしれない。いややっぱりダメかもしれない。その時は辞めればいいし、ボスをぶっとばせばいい。ボスの葬式に行って、棺桶に花ではなく火をつけた線香爆竹を入れればいい。燃やしてやれ。その前に一度だけスーパー謙虚に。

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