ようやくわかったニャー

今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふマーケティング”へのリード、そして時代の変化に呑まれるものたちへのレクイエム(鎮魂歌)である。

郷好文の“うふふ”マーケティング:電子化は雑誌の“救世主”になるのか?
出版不況が深刻化している昨今。電子化の波に乗ろうと、各社が雑誌のデジタル配信に取り組んではいるが、成功しているところがあるとは言いがたい。雑誌が生き残るためにはどうすればいいのか? その条件を考えてみた。続きは本誌で。

書店1万5,000店、コンビ二23万店の流通網でも50%が返本なのが雑誌。2010年1月12日にニワンゴが実施した『雑誌について』アンケートでは、1ヶ月に一冊も買わない人は38%にのぼった。かく言うわたしも『ロードショー』『文芸春秋』『エスクワイア』『Rockin’ on』『クロスビート』『NHKビジネス英語』、果てや“週刊美術百科”ごときものまで買った。それが今はほぼゼロ。雑誌出版苦境の原因の数億分の一はわたしだ。ごめんなさい。

光はある。ニワンゴのアンケートでも「雑誌の記事とネットの記事を比べてコンテンツの質はどちらが高いか」という設問には「雑誌の方が高いと思う」が4割弱の答え。ネットの方が高いと答える人は約2割でした。

またビデオリサーチは、雑誌媒体調査の『MAGASCENE』に、3月から『KARTE』調査項目を追加して、雑誌力評価に“”の調査を追加した。中身を問う機運ありなのです。印刷文がんばれ。

【キンカ堂レクイエム・アゲイン】

さて、今一度キンカ堂を語りたい。先日このブログで語ったら、盟友内田編集長(作品社)から1通のFAXが届いた。

東京新聞の記事のコピー。倒産でシャッターを下ろした池袋のキンカ堂に、続々とメッセージが貼られているという。「手づくりの楽しさはこの店から」「祖母の代からずっとお世話になりました」と閉店を惜しみ、感謝をする手紙があとを絶たないという。なんて、なんて素晴しいことじゃないですか。わたしもまったく同じ想いです。

ああいう田舎くさくて落ち着けて伸び伸びできる店、他に思いつかない。今先端の店、みんな“コンセプト”だらけ、“効率”でいっぱい、“便利”オンパレード。もういいよそんなの。その象徴であるイオンSCはすでに国内で売れないので、中国に出店する。それは正しい。美国型SCフォーマットは、成長国・成長市場のアイコンである。

日本は伝統や美的や手づくりに価値を認める成熟市場になりつつあるけど、残念なことに、キンカ堂はもたなかった。雑誌も同じ状況で、もうちょっと踏ん張れば状況はガラリと変わると思うのですが。

【柳森神社の猫】

わたしが関わるutteという事業では“ここにしかない・わたしだけの・クリエイターが創る作品”を扱います。その想いが届くまでがんばれるか倒れるか。がんばりたくて、柳森神社にほぼ日でお参りしてます。

先日のことです。パンパンとお祈りしたあと出社しようとすると、神社に棲む猫がツツツと神棚に上ったんです。そしてわたしを向いて「よかろう」と言いました。ええ!と思って、つい写真を撮ったんです。その画像を80余の老母に送るとすぐに返信がありました。

「ようやくわかったニャー」

低ギャグごめん(笑)。でもがんばれ、という猫のことばと思ってしかと受けとめました。がんばるにゃー。

コメントを残す

WordPress.com Blog.

ページ先頭へ ↑