1勝1敗で迎えた対楽天イーグルス戦、ファイターズは2対1でリードされたまま、勝負は9回へ。今日奪われた2点はいずれもエラーから。1点目はショート神川畑(上川畑)選手の痛恨のトンネル、2点目は1塁マンチュウ(万波中正)選手の後逸である。
勝利の伏線はこの二つのエラーと移籍してきた選手の〝思い〟である。
9回表、投手はジャスティス(田中正義)。今季ファイターズに移籍した「7年間ゼロ勝の投手」は楽天打線を三者三振に切った。その裏の攻撃で、マンチュウは今日初ヒットを放って1塁へ出た。送りバントで2塁へ。
次打者は今季ロッテマリーンズから移籍してきた福田選手である。今季10打席ほど使われたが無安打、今日もそこまでノーヒット。おい新庄監督、代打アルカンタラだろ?だがそのまま打たせた。なぜ?とりあえず福田の初ヒットを祈った。彼も打ちたいと思ってバットを振っていた。だが確率的に言えば他の手段もあった。福田はそれをやった。粘って4球を選んで1、2塁となった。チャンス拡大。そして次打者は神川畑、今日はエラーをカバーする3塁打を放っていたが、打率1割7分である。代打もありうる。しかしまた新庄監督はそのまま送り出した。すると彼は2塁打を放ち、サヨナラ勝利をもぎ取った。ジャスティスは7年分の1勝を挙げた。
もうひとつ勝利への伏線があった。5回裏のチャンス機に、今季阪神から移籍した江越選手である。追い込まれた後も粘りに粘って15球も投げさせた。最後は三振だが、投手のリズムを狂わせてこのあとの1点につながった。
エラーをした者と移籍組が活躍したのは偶然ではなかった。彼らに新庄監督は「魂を見せろ」と無言で伝えていたのだ。エラーしたら自分でカバーしろ。打てなくてもチームのためにできることをしろ。移籍前のチームで活躍できなかった悔しさをぶつけろ。最大の伏線はベンチからの「お前ら魂を見せろ!」という檄、新庄監督の魂だった。
新庄監督はおちゃらけているから、人は好き嫌いが分かれるが、2年前を思い出してほしい。彼は「48歳」でプロ野球のトライアウトを受けた。選手にもう一度なるために鍛えに鍛えて、若い人に混じって受験に来た。そういう男なのだ。彼こそ誰にも負けない魂を持っている。それに気づけば、戦力不足だの、采配が悪いだの、辞任しろだのさんざん言われても、ファイターズを上昇させている理由がわかる。どんなことも魂の力なのだ。連休最後の日、明日からの闘いのために魂をぶつけよう!
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