わたしが大好きなBrandi Carlile(ブランディ•カーライル)のインタビューを掲載した『Big Issue(No.448号)』を読んだ。フェミニズム特集のカバーインタビュー扱いだが、その内容はフェミニズムというよりアーティスト同士の助け合いの大切さである。
Brandiは歌も上手いし演奏も上手いし曲が素晴らしい。生き方も好きだ。わたしが生涯で一番好きなFemaleアーティストになった。もちろんすべてのCDはもっている。自伝も耽読した(いつか翻訳出版したい)。
Brandiは自分の才能で自由を得た人ではあるけれど、共にステージを創る双子のTwinsと出会って惚れて、有り金はたいてプレゼント(楽器だったかな)を贈って一緒に演奏してほしいと頼みこんだり、エルトン•ジョン、ジョニ•ミッチェルら先達に学び、先達と共に歌い、時には助けることさえする仲間づくりの姿勢がすごい。仲間作りはミュージシャンの専売特許ですね。だからこのインタビューでもBrandiは名も無いミュージシャンの支援や、困窮する人への支援の話がたくさん出てくる。そんなBrandiの姿勢が表れている、次のくだりがいい。
MS. CARLILE: It is boring to be alone, or do anything alone, need any credit alone, watch a comedy alone, eat a great meal alone. I want to be surrounded by people that I love all the time. So, I double down on the co-dependency thing constantly, reaching every way to pull people into myself so I can be with them.(出典=WSJより)
結局1人では面白くないんですよ。名声を求めることや、コメディーを見たり、おいしいものを食べたりするだけではつまらない。私はいつも大切な人たちに囲まれていたいんです。 だからお互いにもっと頼りあおうと、様々な形でつながろうとしています。そうすれば、いつも彼らや彼女たちと一緒にいられるでしょ。(翻訳=Big Issueより)
Brandiはレズビアンで、同性婚で、男性の親友の精子で妻に子を授けてもらいという、日本では「アクティビスト」とされるアイコンに見られるだろう。しかし彼女自身はそういうものに囚われていないと思う。自然体だと。日本では同性婚やトランスジェンダーのトイレとか、どんなことでも「多数ではない」ことは「問題」になる。けんけんがくがく、まさに「Big Issue」となる。けれども本質はそこにはない。いずれも「人をいかに差別するか」あるいは「差別をしつつもそれを隠すか」という議論に過ぎない。とてもつまらないことだ。本質はこれだ。
だれと頼りあい、だれとつながりあうか、そしていかに助け合えるか。
これが現在のBig Issueである。なぜなら今は戦争があり、天災があり、経済格差があり、難民やLGBTQへの差別もある。そういう時代に生き抜き合うには、ひとりではとても無理だ。頼り合わないと無理なのだ。
最初の一歩は何ができるかをそれぞれが表明すること。わたしもそこからがんばりたい。
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