トランスジェンダーと健康診断

昨日、近傍の内科クリニックで年に一度の健康診断を受けた。それまで某病院検診センターに行っていたが、近所で頼れる内科医を探したいと考えて、最近開業した医院に予約した。

受付で問診票を書いて待っているとその日はわたし一人の検診受診のようだ。ほどなく呼ばれて看護師さんと相対した。わたしは「女の格好で」初めての検診で、あらかじめこう断った。

「性の多様性がある者ですから、性別は男性ですが…」

看護師さんは慣れているようで、ハイと言って、体重身長腹囲と測り、血圧から心電図、そして採血と実にテキパキしていて好感がもてた。心電図のパッドをいれるとき、ブラジャー(厚いナイトブラ)を上げられておしまい。問題はその後の医師の問診である。

「院長のXXです」

聴診器しますねと言いながら、わたしが服を上げようとすると、「そのままでいいですよ」と言って、服の上から聴診器をあてた。軽く二、三箇所である。背中は聴かなかった。それで結果はXX日になりますから、以上である。

患者が溢れている医院ではない。実にあっさりだと思った。それにしても服の上からで大丈夫なのか?あとで別の医院の情報をネットで調べるとこうあった。

衣服二枚の上からや、厚手のブラジャーの上からでは何も聞こえません

どちらにも該当したわたしが受けた聴診は何も意味がない。過去に二度不整脈があると言われたことがある。そんなことも言えなかった。

わたしの通院する自由が丘のトランスジェンダー専門クリニックの院長は、HPの最近のエントリーで検診を取りあげていた。ホルモン補充療法の影響でがんになる可能性があること、血液の状態を診る必要があること、とりわけ性転換手術後の人は定期検査が必要なことなどを書き、トランスジェンダー向けの検診を充実させることを訴えている。

日本の一般診療所にトランスジェンダーが来ることは滅多にない。しかしながら、少しでも性の多様性に関心をもつなら、ホルモン補充療法の影響くらいは勉強してほしい。ネットで読めるのだ。いわんや聴こえもしない聴診器を当てるなんてやめてほしい。

またトランスは心の問題も抱えていることが多い。常々日本の検診は心の問題は全く扱わないのはおかしいと思っている。たとえばうつの人が検診を受けても、内科と精神病の関連について詳しい内科医は少ないだろう。病気は心がつくるものである。

日本の診療機関の大半は「マジョリティ」のためにしか存在していない。
それを改めて感じた経験であった。

寒い夜に干したバスタオルが凍ってバスタオルウォールになりました…^^; 春よ来い。
広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

WordPress.com で無料サイトやブログを作成.

ページ先頭へ ↑

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。