欧米各国がウクライナに戦車を贈るという。レオパルト2、1台10億円として計何百億円という太っ腹はともかく、戦争がますます激化するという予想もともかく、わたしはレオパルト戦車を作ったことがある。
1970年代初頭、田宮模型である(^^)。正確にはレオパルト1であり、その他にもソ連のT34、ドイツのタイガー(独語でティーゲル)、米軍のシャーマン、そして英軍のセンチュリオンは内部構造まで作れたのがよかった。最も革新的な戦車はスウェーデンのSタンクである。砲塔台がなく、大砲は斜傾するボディに直付けである。打つ時は猫のポーズのようになる。変わった形ゆえに主戦にはならず、スウェーデンはその後Sタンクを廃止し、レオパルト2を導入した。
戦車には国民性が現れる。
ロシアの戦車はジャガイモのようである。アメリカの戦車は大量生産がきく。ドイツの戦車は実用的で理屈もある。イギリスの戦車は王道である。世界初の戦車を開発した国としてプライドがあるのだ。そしてスウェーデンにはインテリジェンスがある。日本の戦車には個性が乏しい。
戦車は戦闘の道具である。建物を破壊し、敵の戦車と闘い、人を殺す。多少の攻撃にはびくともせず、迷彩模様をまとって森や林にひそみ、悪路を走り、暑さにも寒さにも耐える。男であれば丈夫な骨格を筋肉で固め、女であれば脂肪で曲線の体をつくるように、闘いに挑むのである。
ところでこのところの厳寒で、体が決して強くないわたしは寒さにまいりかけている。ぶるぶる震えて、しもやけにやられ、頻尿を怨んでいる。そこでこう思った。
戦車のように強くなりたい。「内なる戦車」を持とう!
強く息を吸って体内に送り込み、強く吐いて体を温める。かじかんだ手をグーパーし、冷たくなった足指をぐいぐいする。腕をぐるぐる回して、体をよじり、すっくと背を伸ばしてみた。戦車を体の中に入れて、寒さ撃退である。少し温まったが、まだまだわたしの内なる戦車はひ弱だ。
内なる戦車があれば苦戦を強いられている暮らしから反撃ができる。トランスジェンダーを揶揄したり、忌避したりする人にも対抗できる。ただし男のような戦車ではなく、あくまで美しい女の戦車になりたい。平和を実現する内なる戦車になりたいのだ。
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