テレビもなし、紅白も格闘技も観ないわたしの年末年始は月替わりといっしょだ。1年を振り返ると不思議な年だった。仕事は減る一方で、変態のわたしを嫌う人もいっぱいで、先行きは不透明なのに、奇妙なまでに心の落ち着きを得て、心に芯ができた。悩まなくなった。なぜなのか。
性をトランスする決心を固め、自分らしく生きだしたせいである。
2022年4月からジェンダークリニックに通いだしてホルモン補充療法を始め、5月には喉仏の除去を行い、7月には初の女性姿で仕事をした。11月にはトランスジェンダーについての創作を10年で10作品書くことを決めた。最初の創作は煮詰まった。テーマも構成も主張も人物もしっかり、文体にもアイデアが降ってきた。ちゃんと書ければ、得られるであろう読者の反響も見えてきた。
賛成5割、反対3割を狙う。
「凶」が多いと言われる浅草寺のおみくじの配分は、凶=30%、大吉=17%、吉=35%、その他の吉=18%だという。それにちなんで、わたしの作品の反響も、賛成=5割、わからない=2割、反対=3割を狙いたい。反対者がいてこそ作品は広まる。心を揺らさない作品なぞ屁である。インフォームドコンセントを日本に広め、がんの外科手術で国際的な業績のある消化器外科医の言葉を借りればー
いっちょう世間を騒がしてやろうじゃないか。
心の中にロックンロールを!今年も著名人の訃報が相次いだが、わたしの目頭を最も濡らしたのがエリザベス女王だった。あれほど凛とした人はいない。今日12月30日に接した訃報はイギリス人のヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)だった。パンクファッションムーブメントを起こしたデザイナー。彼女のデザインが好きだけど高くて買えなくて、財布をひとつだけ持っている。
彼女の最初のショップ名は「レット•イット•ロック(Let it Rock)」という。彼女らしい名前だ。チャック•ベリー(Chuck Berry)が1960年に発表し、ローリング•ストーンズ(The Rolling Stones)が1971年にライブ収録した名曲である。2分30秒で終わるから実に心地いい。Let it Rockとは「全力でやろうぜ!」「ロックしようぜ」といった意味である。
人生最後までロックしようぜ!
コメントを残す