Sさんに勧められて観たドキュメントが『Disclosure』である。
アメリカのメディアがトランスジェンダーをどう捉え、どう表現してきたか。トランスジェンダーの俳優や映画制作者、歴史家らが過去の映画やテレビを取り上げ、また自身が演じた映画を語る。それらのシーンに登場するのは、トランスジェンダーが嘲笑され、差別され、気持ち悪がられ、ステレオタイプにされたシーンの数々である。これは果たして人間への扱いだろうか?私もトランスジェンダーになる前には気付かなかったが、これほど差別されてきたのかと怒りがこみあげてきた。
トランスは決してクイア(奇妙)ではない。極めてノーマルである。間違っているのは「その他大勢」である。
トランスジェンダーは、ありのままの自分を生きることだけでも勇気がいるのに、トランスして反対性で演じる勇気ははかり知れない。トランスジェンダーがどういうもので、何を考えているか、何を誇り、何を憂えているか。ドキュメントは「その他大勢」にそれをまっすぐ伝えてくる。
私はいまトランスジェンダーを主人公にする物語をリサーチ+構想中である。佳境だがもうひとつツッコミが足りない。ふとSさんが「観るべきよ」と勧めてくれたこのドキュメントを思い出した。Netflixなんて契約してもあんまり観ないだろうなと思っていたが、広告付きで月790円とリーズナブルになったのも幸い(^^)。観てよかった。テーマの確認や深掘りができた。ありがとうございました。
また『Disclosure』に出てくるのはアメリカ人なのもよかった。彼らは一様に背が高い。私も背が高くてそれが今となるとコンプレックスなのだが、ドキュメントを観て、改めて胸を張って、でかい女で生きようと思った。「その他大勢」を見下ろしてやろうと思った。私なりのトランスジェンダーの真実を描く物語、期待してください。
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