リリーは靴下、私はジーンズ

私はスリムジーンズをもって試着室に向かいました。カーテンを閉めて、細いシルエットのジーンズに足を通した。ローライズのウエストにお尻を入れ、ボタンを留めた。ぴったりフィット。試着室の鏡に映る自分を見た。
 
女物が履けた……!

2021年2月のある日。過去三ヶ月続けた腹筋と背筋トレーニングで痩せたせいで、それまでの<男物ジーンズ>がだぶついた。そこで細身のジーンズを探しに古着店2ndストリートへ行った。ジーンズ売場には男物と女物が混在していた。私は股上の浅い女性っぽいジーンズを無意識に、しかし真っ先に選んだ。そして試着室で女物が履けた嬉しさに浸った。鏡に映った自分は両手を腰を当てて「どぉ?」というポーズ(笑)。元の男の私が鏡のなかのひとに言った。

似合っているよ…

過剰なまでの自己肯定(笑)。笑って読み飛ばしてください。この試着室体験のあとにネット視聴で観たトランスジェンダー映画『リリーのすべて』には、画家アイナーが女性物の靴下を履き、女性物の靴を履くことで、自分のなかにいる女性に気づくシーンがある。アイナー(リリーになる)はソックス、私はジーンズ、同じ足仲間ね、というわけでリリーの気持ちがよくわかった。

女物を着ると大きな安心感に包まれた。「女性装」をする東京大学教授の安富歩さん(東洋文化研究所)は、著書『ありのままの私』で「女装」と「女性装」の違いを述べている。

やがて私は予想もしなかった、重大な事実に気づきました。それは私が女物を着ると、「ただならぬ安心感」を感じる、ということでした。世の中には、性的刺激を求めて女装するという趣味の方がいるそうです。こういう方は、女物を着ると、興奮するのでしょう。それに対して私にとっての女物は、精神を安定させる効果があります。(出典『ありのままの私』P42)

なぜ女になることが心に安定をもたらすのだろうか?解くべき問いかけです。

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