五輪は終わったが(パラリンピックはこれからだ)、改めて「1位になるには秘密がある」と感じている。
テレビ受像機を持たない私は、ネットで試合を指折りの数だけ観たが、一番心に残ったのは13歳のスケートボーダー西矢椛選手。競技に失敗しても、あまりにも清々しい笑顔に私は溶けちまった。1位になるには「純心」という秘密があるようだ。
2番目は女子ソフトボール決勝戦。6回1アウト、走者1塁2塁で日本ピンチの場面でアメリカの打者に痛烈なライナーを打たれた。抜けると!思った打球は、サード山本選手の腕に当たり、ポーンと跳ねてショート渥美選手がキャッチした。2塁に投げて走者戻れずゲッツー。まさに神がかり。勝つ執念が呼んだ「運」でしたね。
1位になろうとする思いが頂点に達するとき、それまでにはないことが起きる。失敗しても笑顔、絶対絶命からの大逆転。1位になろうとする「思い」がそれらを引き寄せるのだろうか。
ある大病院の医師にインタビューをした。その医師は基礎研究医で、内科の専門領域で巨大な業績を挙げた。世界が信じていた通説を打破する新しいメカニズムを発見した。なぜ成し遂げられたのか?これから包括的に解明して描いていくが、ひとつ理由はわかっている。
運動である。
医師には高校での運動大会で3年連続1位を取った体験がある。なぜ成し遂げられたのか?と聞くと、答えはシンプル。
「一番になりたかったんだね」
エリート志向もあろう、負けず嫌いもあろう。だがそれだけではない。1位を取ろうとすることは、単に相手と抜きつ抜かれつではないのだ。ライバルとの戦いを超えて、自分の限界を超えて、ある時点から「真空ゾーン」に入る。他者や自分との闘い、過去(記録や通説)との闘いを経て、未知に達した状態とでもいおうか。
そこでは解き放たれたゆえに、笑顔が自然に生まれる。自由ゆえに、運もふっとつかめる。さえぎるものがない1位という真空頂上に立つ。
と思っているが、私のようにトップから非常に遠い、底辺でうろうろしているライターが言うことだから、真に受けてはならない(笑)。何事もトップを目指すことは大切だ、というくらいは心に留めてほしい。私も自分が真空になれる空間をつくるために、私らしい挑戦を始めたので、皆さんもどうぞ。
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