ブランディ•カーライラー

結局ぼくは「創作が生まれるところ」を歩いていると満足する。

先日、シンガーソングライター ブランディ•カーライル(Brandi Carlile)の自叙伝『Broken Horses』を読了した。感じたことは「どこから彼女の創造が生まれるか」。

幼い頃の音楽に親しんだ体験、母の家族音楽団での歌唱。ひとりぼっち、いじめ、学校からドロップアウト、ディスレクシア(読字障害)、レズビアンの自覚。路上演奏からフェスティバルへ、野望もいっぱいあっただろう。

憧れた音楽家、エルトン•ジョン、タニア•タッカー、ジョニ•ミッチェル…。ジョニの『Blue』にはブランディの歌の原型を感じる。コンビを組むThe twins(双子の坊主頭の音楽家)との運命的な出会い、。彼らと創造を伸ばし合い、挑発しあってきたのだろう。

1stと2ndアルバムはまだ才能の助走期間だが、セカンドアルバムの『The Story』の熱唱が『The Joke』につながっているのはわかった。

この2曲は2大傑作だが、それにまつわるエピソードは自叙伝のなかでも最も印象的。プロデューサーのShooter Jenningsが「君はThe Story以来、あれを超える歌を歌っていないだろう?」とブランディを挑発する。Shooterは「エルビス•プレスリーの『アメリカントリロジー』のような歌を創れ!」と彼女を突き放す。アメリカトリロジーとは、日本でいえば『襟裳岬』『天城越え』『上を向いて歩こう』を足したような歌だろうか…(笑)。アメリカ人なら聴いたら誰もが泣く。ちくしょうと思ったブランディはその晩、The Jokeを創作し、翌朝チェロ奏者に電話して来てもらい、それに曲をのせて、しだいにギター、ベース…とかぶせて、熱唱で包んだ。グラミー賞をそうなめする曲の生まれたけしかけ。

2014年のPin drop Tourは現代の音楽サーカスだ。東海岸は演奏場所代が高いのでPAを諦めアカペラでライブする。せいぜい1000人くらいのステージ。ピンの落ちる音が聴こえるステージでのコーラスが美しい。巨大なトレーラーハウスでみんなが移動するところは、幼き頃の家族音楽団を思わせる。演奏の合間に子どものおむつを替えるミュージシャンたちも微笑ましい。

生き物、牧場、釣り、DIYと自然も、彼女の歌の源泉だろう。差別との戦いはもちろん。ぼくはブランディには「」を感じる。彼女のなかに弱さと強さが同居している。

実はまだ全てのアルバムを聴いていない。もっと聴きこんで、もう一度この自叙伝を読み返したい。彼女の創造が生まれるところをもっと知りたいので、日本人初の「ブランディ•カーライラー(Brandi Carliler)」、ブランディの研究者になります(^^)。

彫りがいのある人間研究対象を得た。ブランディを聴く楽しみをもらって、もっと生きたいなと思えてきた。


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