英語は直読

ある帰国子女でもなく、海外で長期留学や滞在をしたわけでもない日本人だが、英語が達者である。その人がどう英語を学んだか?

直読だという。

予備校の先生が、英語をマスターするのは構文だの文法だのではない、単語熟語を覚えろでもない、ただ英語を前からそのまま順番通り読め、直読で1000ページ読めば自然に英語はわかるようになる、と言った。生徒であったその人は、言われたとおり前から読みくだすようにした。わかったことは「日本語と違う」ということだった。

英語は結論が先にくる。I love…なになに、He is…なになにと。I love youだの、He is not smartだのと、結論を先に言って、あとでそれをbecause…. for the sake of…. in order to….などと説明を加えていく。一方日本語は、目的語や修飾語が先にきて、結論が最後になる。「僕は君のことを…」なんだよ、早く言えよ、だからさ…となる。おまけに英語を翻訳するとき前にもどって理解しようとする。

あたまから読んでいくと文化や考え方がわかる英語と、それを理解しようとうしろにもどる日本語では、致命的な違いがある。

英米には結論を先に言って説明する生活文化があり、学校ではプレゼンや論争する教育がある。だからSVOCなのだ。対する日本はアウンの呼吸である。顔色見て探り、結論を引きのばして語る。論争下手なのは偶然じゃない。生活と言語は裏腹。だから日本人はいつまでたっても英語が下手なのだ。

もうひとつ重要なのが「1000ページ」である。習得は量次第。

先日来、ぼくは比較的易しい医学系の英語の本を400ページくらい読んでいるが、なかなか手強い。本格的な外科や内科の英語1000ページは凄い努力がいる。

さしあたりの結論は、異なる言語や文化をもつ相手を理解するのには「そのまま受け取る」こと、それには「手間隙/時間がかかる」ということだ。英語が自在になるということは言語だけの問題ではない。異国の人に心を開けるかどうか、ひいては他人に心を開けるかどうか、という問題でもある。

娘の忘れ物。もらった自衛隊の糧食が入った袋の底に隠れていた。郵便で送ってやった。

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