伝記を信じるな

ある人物を書こうと資料を集めだした。どんな資料を集めるかがポイントである。

それは19世紀の海外人で、これまで何冊も伝記が書かれている。大きな功績があるゆえに、本国人の作家や欧米人の伝記作家、日本人の学者まで本がいっぱいある。

ゴマンとある伝記やその人物論をゴマンと読むべきか。答えは「」。

良い伝記は1-2冊は当たるべきだが、伝記をいくら読んでもその著者のフィルターがかかっている。さらに悪い伝記になると、伝記を読んで伝記を書いている。二重フィルターで曇っている。とりわけ毀誉褒貶の激しいこの人物の伝記本はフィルターが濃い。

人の伝記を信じてはならない。自分が伝記を書くのだ。

吉川英治は『宮本武蔵』で「吉川武蔵」を創造した。だから面白い。米国の孤絶の詩人エミリ•ディキンソンにも決定版の伝記があるが(トーマス•ジョンソン著)、翻訳が悪い上に、ジョンソンの分析が間違っているので放棄した。エミリの詩からわかることを書けばいいのだと。

ドクターズマガジンに連載執筆をする『ドクターの肖像』を書くときは、その医師自身が書いた「論文」「記事」「本」にあたる。表現物が一番その人を物語る。とりわけ初論文は必読。お尻が青い時代の論文はその人の本質がある。余談だが国語学者で「声を出して読みたい日本語」を飛ばした斉藤孝氏の初の著書は青くて好き。その後のものはあまり。

18世期のその偉人の資料も、メインは自著(英訳本)と本国人の伝記2冊(英訳本と和訳)に絞った。それらを探して米国Amazon、eBay、Burns & Noble、さらにはイギリスやカナダのオンラインブックストアまで探しまくった。本国人の伝記は国会図書館で見つける幸運もあった。

人はその表現物や業績から書く。生の言葉(発言)を拾う。人物像は創造、自分のフィルターをしっかりさせる。

反響が大きい青木眞先生で「ドクターの肖像」は88人目の執筆。


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