つなぎのあいだに。

なんとなく経済(とりわけ景気変動)に興味があるのは亡父の影響である。経済の本を多読していた父は、その知識で借金して家を建てたり、アパート経営をし、株式投資をしていた。影響を受けたぼくは、株式投資指南書から読みだして、しまいにはヒルファディングの金融論まで読んだ。内容はさっぱり忘れたし、株式投資もバブル時代に失敗してから手を引いたが、景気を読もうとするくせだけは残った。

そのナマクラな目から見ても、アフターコロナはこれまでにない恐慌に見える。

今回の経済封鎖は、人間にたとえてみれば大動脈をぶった切ったようなものだ。大動脈瘤や大動脈解離の手術は、肉や臓器をはがした奥を切ってつなぐ、あらゆる手術でトップクラスの難度といわれるが、その手術をしたことがない政治家たちが、世界同時にやってしまった。だから大出血。切ったあとのつなぎかたもわからない。世界のサプライチェーンはすぐに元にはもどらない。

トヨタの社長が8割減益だというなら、日本の産業界のほとんどが8割減益になる。欧米の投資家は航空会社に見切りをつけた。動かない航空機がスペインの墓場飛行場に溜まっている。日本で残れる航空会社は2社だけだろう。昨日ニュースで、知人の会社が倒産しているのを知った。いよいよ不景気が身近になった。従来の資本主義は修正されて社会資本主義ともいうべきものに変わる。政府や大企業による管理型である。

ひとびとの恐怖が消えないうちは、オフィスのサテライト化やホームオフィスが増える。都心オフィスは余剰し、通いの営業パースン活動は減り、都心商業も衰退する。マクドナルドのドライブスルーの混雑ぶりを見ればお店も変わる。パッと行ってパッと買える店がいい。かつて流行った「長時間店内をぶらぶらさせてたくさん買わせる」ドンキホーテ型の商業施設は減り、店は目的買い志向になる。宅配がこれ以上増えれば、配達効率を上げるために宅配会社も合併するしかないだろう。

いろんなことが思い浮かぶが、問題はそれで自分はどうする?である。

ぼくにとってはひとつが「オンライン」へのシフトだ。昨夜もzoomを使っての講義をした。ある方のアドバイスに従って、カメラに向かってボディアクションを多くしてみた。女優ライトがほしくなった。打ち合わせやインタビューはオンラインになる。さらに医師インタビューの仕事もこれまで通りとも思えない。問われるのは「脚本力」かもしれない。インタビューを超えたインタビューが書けること。本は実用本しか売れない。自分は書ける気はしないが、新しいマーケティングや、新しい不動産ビジネスの本は売れる。個人事業主はこれまで以上にオンリーワンでなければ生き残れない。

…と、ここまで書いたところで、みずほ銀行のアプリをいじると持続化給付金が振り込まれていた。たすかりました。このお金の「持続化」という意味は「つなぎ」である。つなぎのあいだに何か考えろ、変われ、行動せよ。あとは知らんぞ…(^^)

かつての常識は非常識となり、かつてのアホなことが新常識になる。それについていけるか?たとえば、遊休する観光バスのカラオケ設備をつかってカラオケ店を開いたという話がある。そういうことをしながら新業態を考えるのだ。もう一度アホになれるかどうか試されている。

哲学者アランは未来のことはわからないから考えるな、現在のことだけを考えろという。考えるよりも動け、ともいう。今は誰もがトライアルをするときである。

陽はまた必ず昇る…

※追記:トヨタの赤字カイゼンについて良記事、日経XTECH「営業赤字1兆円もあり得るトヨタ、黒字予想は猛烈なカイゼンの号砲」もどうぞ。


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