2020年3月31日の東京都コロナウイルス感染者数は78人になった。昨日の都庁での記者会見で、北大の西浦教授が「3月30日〜4月3日で最大値244名」の数値を挙げていたので、その3分1である。明日100人以上となったら決断するだろうか。

ぼくへの直接の影響は「ベトナム人留学生就活講座」である。今回も都内で開催しているが、先週は恐れ多くもきちんと開催できた。生徒もやりたいと言っているので、今週も…と思っていたら、都内の集合施設が閉鎖になってしまった。ではWebセミナー形式で…という話になったが、Webはやりにくい…盛り上がれないのは経験上も知っている…とダダをこねた。
それはともかく、ふと思った。「M氏なら、この事態をどう言っただろう」と。
M氏とはこの講座の創始者で主宰者だった方だ。起業をして大きな会社にした立志伝中の人だ。ちょうど今年が7回忌であったが、その集まりもコロナで延期された。お墓でM氏はこうを言ってるようだ。
「講義をやめるのかね?ゴーくん(筆者の名前)。この窓から向こうを見てごらん。まだ動きがないじゃないか」
その窓から見えるのは皇居である。皇居にまだ天皇陛下がいる間は大丈夫だという。というのはM氏がご存命の、2011年の地震後の放射能漏れ事故の時のことだが…。ウイルスは放射能とは違う蔓延なので、天皇が那須御用邸に養生に行くとは思えないが…。
「明日感染者が100人を超えて、いったい何が起こるんだね?ゴーくん」
ロックダウンまたの名を都市封鎖、緊急事態宣言らしいのですが…。
「一般の会社や学校や保育所、福祉施設、劇場や映画館、娯楽施設などを使用制限を要請するんだろう?ちゃんと公共交通機関も動くんだろう?戒厳令とはちがうよなあ」
パリやミラノなどの封鎖都市でやっているような、厳しい外出制限はなく、病院、薬局薬店、スーパーは対象外。場合によっては医療関連の施設組織には命令もできるらしい。日本は特措法といっても抜け穴があるようだ。
「福澤諭吉は上野の山で新旧政府がドンパチやっていたとき、ウエーランドの経済書を開いて、塾生に講義していたそうじゃないか、ゴーくん」
どんなときでも大切なのは、教育であり人材であるとM氏は言うのだ。落ち着いて、世界を見よ、問題はこれからの世界がどうなるかだと。
「実力主義、通年採用、多国籍の雇用がますます進むんじゃないかね、ゴーくん」
はい、そう思います…しかし、今の日本には若き日の孫正義も柳井正もいません。日本にはいまイーロン•マスクがいません。ああいう人は出てくるのでしょうか。と僕がシドロモドロでいうと、M氏は人差し指を立てて、突き上げて、こう言うのだ。
「空だよ空、空にロマンがあるんだ」
150年前は内燃機関だった。100年前は電気だった。50年前はITだった。今度は「空」じゃないのかと。電気や水素や燃料電池で飛ぶ有人ドローンや、昇降自在の飛行機、空中都市や宇宙ステーションじゃないのかと、M氏はいうのだ。さすが大きな視点をお持ちである。
「いいかい、空からコロナ騒動を見てごらん。世界中が右往左往しているがいずれなくなる。残るのは不況や不安だ。そのとき人を助けられる人になってなければいけないだろう?」
はあ、その通りです…とぼくは言葉をのみこんだ。
「そんなときにマスクひとつて買えて、よろこんでいる場合かね、ゴーくん」
なぜご存知なのですか…?(^^;;)今朝、偶然立ち寄ったウエルシアで、ひとつ買えたことを…(しかもアイリスオーヤマの高品質なマスクを)
「すべて空の上からお見通しだよ」
とM氏はいうと、シュッと煙になって空に上がっていった。ぼくの手元にはマスクと、ひとにぎりの「やる気」が残った。

明日、4月1日に東京都の感染者が半分くらいになり、日本全体も半分くらいになることを祈って!
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