長崎大学のコロナウイルス感染症に関する緊急声明文

国や地域の枠組みを越えて、「人類の叡智」が試されています。今こそ、個人が、組織が、地域社会が、国民全体が、これからも専門家会議の声に耳を傾け、一致団結して行動することを呼びかけます。(長崎大学 大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 熱帯医学研究所 教授 有吉紅也氏)

有吉紅也教授はおよそ15年にわたってアフリカやアジアの現地で、感染症、熱帯病の研究と治療に従事されました。主要な研究はHIV-2感染者の長期生存や低いHIV-2母子感染率の証明、それらの機序がウイルス量レベルで説明できることを示したもので、タイでのHIVコホート研究やベトナムでの肺炎研究指導もあります。ロンドン大学やMRC、国立感染症研究所を経て、長崎大学の通称“熱研(ネツケン)”で、臨床•教育•研究の第一線で活躍されています。

今次のコロナウイルス感染症でも、英国や他の国を飛び回って感染症から世界を守るための活動をしています。その専門的知見を総動員して、数日間寝ずに文章を練り上げて作られたサイトが「緊急声明文」です。これを一読して、そうしなきゃいけない!自分は考え違いをしていた!と思いました。非常によくまとまっているので、ぜひ全文を読んでください。

以下にかいつまんでみますが、ぜひ本文を読んでください

『新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から出された提言~日本国民を新型コロナから守るための処方箋~(有吉紅也教授)』と、『新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(新型コロナウイルス感染症)(3月19日の取りまとめ)』をまとめました。

1、英国では「クラスター(感染者集団)の早期発見」は対応が困難だと数理モデル専門家らによって認識されているが、日本では「草の根の底力」があり、専門家会議もそれを信じているので、クラスター対策は有効である。

2、「3つの条件(密閉・密接・密集)の重なりを避けて」を実施するのは国民一人一人である。

3、新規感染者の増加を抑えられている北海道事例には、科学的な根拠がある。北海道の実効再生産数(感染症の流行が進行中の集団のある時刻における、1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)は、2月16日〜28日=0.9と、2月29日〜3月12日=0.7 と減少した。(1以下が良い)

4、専門家会議の基本戦略は「1、クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応」、「2、患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」、「3、市民の行動変容」の3点である。

5、(東京都での3月25日以降の1日40名以上の感染者の発生前までは)日本全国で見れば、大規模イベント等の自粛や学校の休校等の直接の影響なのか、それに付随して国民の行動変容が生じたのか、その内訳までは分からないものの、一連の国民の適切な行動変容により、国内での新規感染者数が若干減少するとともに、効果があった。
東京都の感染者数状況はこちら

6、オーバーシュート(爆発的患者急増)が始まっていたとしても、事前にはその兆候を察知できず、気付いたときには制御できなくなってしまうというのが、この感染症対策の難しさである。

7、ロックダウンを避けるためには、「感染状況が拡大傾向にある地域」・「感染状況が収束に向かい始めている地域並びに一定程度に収まっている地域」・「感染状況が確認されていない地域」の三つに分類し、いつ、どのような状況で、社会・経済活動を再開し、再び抑制するのか、それぞれの地域の感染拡大の程度に応じたピンポイントでの社会・経済活動の自粛を提言する必要がある。
アップルと米CDCの開発した自己診断アプリを使うと、居住地別の分類ができそうです。

8、基本再生産数(R0:すべての者が感受性を有する集団において1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)が欧州(ドイツ並み)のR0=2.5 程度であるとすると、症状の出ない人や軽症の人を含めて、流行 50 日目には 1 日の新規感染者数が 5,414 人にのぼり、最終的に人口の 79.9%が感染すると考えられる。そうならないように、「3つの条件が同時に重なる場」を避けるために、自治体はもとより各個人が意識しなければならない。

9、地域でクラスター(患者集団)対策を指揮する専門家を支援する人材、広域連携の推進、感染者情報のアセスメント、それを運用する予算の投下。「3つの条件が同時に重なった場を避ける」広報の徹底。北海道の事例情報を共有する。
>北海道の状況はこちらを参照

10、重症者を優先する医療体制の構築
•重症化リスクの高い人(強いだるさ、息苦しさなどを訴える人)又は高齢者、基礎疾患のある人については、早めに受診していただく
•入院治療が必要ない軽症者や無症状の陽性者は、自宅療養とする※。ただし、電話による健康状態の把握は継続する
•入院の対象を、新型コロナウイルス感染症に関連して持続的に酸素投与が必要な肺炎を有する患者、入院治療が必要な合併症を有する患者その他継続的な入院治療を必要とする患者とする。症状が回復してきたら退院及び自宅待機にて安静とし、電話による健康状態の把握は継続する

有吉先生のサイトからのまとめは以上です。くれぐれも全体の2割くらいしかまとめていませんので…

有吉先生は熱い“本気の男”です。その熱い生涯の物語をいずれご紹介しますので、期待されてお待ちください。


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