「実用シフト」をしようと思う。
理由は、このウイルス騒ぎで景気はものすごく悪くなるからだ。大企業正社員はいい。政治家も役人も安泰だ。でも景気減退、売上減少で小さな会社や店はあぶない。雇い止めもある。バイトの学生もパートも危うい。だが彼らはまだ自治体が助けてくれる。問題は自営業者だ。僕のような吹けば飛ぶ自営業者は誰も助けてくれない。だから仕事を実用シフトしようと思う。
実用的、すなわち役に立つということ。
まず留学生相手の就活講義の仕事は、内容をやさしくして、知識や教養よりも「就活直結の内容」を重視する。なぜなら来年から就職は厳しくなる一方だからだ。
創作修行では「実用文学」のようなものを考えている。ただの物語ではなく、「実用成長小説」というか。強いひとりぼっちになる話である。
また今朝早く、別の本の企画もまとまった。ここ数日ずっと考えていた。あるコミュニケーションをテーマに、学校や家庭、仕事の場で使えるもの。ひょっとしたらいけるかもしれない。資料収集から始めたい。
と考えても書けないかもしれないし、企画倒れかもしれない。だが生きていかにゃならん。先日友人が話していたことが妙に心に引っかかっている。
中学校時代の同級生(男)の話だ。彼は結婚を3度した。3度ともフィリピン人女性で2度は失敗して離婚。3度目は良い人で、続いた。子どももできた。だが男性は転職につぐ転職で経済は不安定で、奥さんも働いていた。そんなある日地元のドラッグストアで、友人が彼をみかけた。「よう、O野、最近どう?」「ぼちぼち…」といいながら、いつもの人付き合いの悪い彼にしては、不思議なことを言った。
「そういえばさ、XXXがこんな仕事をしているんだって。今度一緒に一杯どうだ」
それから1週間後、彼は首を吊って死んだ。友人は「可愛い奥さんと小さい子を残して、なんてやつだ、コンビニで働いても、なんでもいいのに」と憤った。僕もひどいと思った。だが経済問題は引き金で、別の理由があったとも思った。
疲れたんだろう。ひとりぼっちだったんだろう。
だが、誰だってひとりぼっちなのだ。だから、強いひとりぼっちにならないといけない。強いとは、筋肉モリモリと固いことじゃない。柔らかくて、温かくて、自分の弱さをよく知っていることだ。人や動植物の命を愛することができることだ。
厳しい時代がやってきそうだが、だれを恨んでも、だれに文句を言っても、なにも解決しない。生み出そうとすることだけが救いである。



コメントを残す