人間がAIに負ける理由

人間がAIに負ける理由をある医師に教えてもらった。

「人間がAIに負ける絶対的な理由は、人は意地悪をするからです。例えば窓口業務。ワザと遅くやったり(笑)入国審査もそうですよね。パスポートと本人をジィーッと見ているようなフリして、何も見てない(笑)」

意地悪をすると時間もかかるし、不公平にもなる。だから窓口はディスプレイをタップして自分で手続きをするようになった。航空機の発券などまさにそれですね。だが空港の手荷物検査はまだ人がやる。「コイツは怪しい、とっちめてやろう」とスーツケースを開けさせて、後ろで並ぶ人をブーイングさせている。そうそう、昔は電車の改札は駅員が改札鋏でパンチを入れていました。あれが自動になったのは、効率だけでないだろうけれども。

意地悪じゃないけど、スーパーのレジで客とおしゃべりするレジ係もいる。特にアメリカのスーパーには多いが、あれはフレンドリー戦略なのだろうか。それもあってレジはどんどん自動化に向かっている。電車が自動運転になるのは、居眠りやポカンとして、駅をとばし、オーバーランする運転士がいるからでもあろう。ドローンで配達をしようとオンライン販売会社や運送会社が画策するのは、面倒くさがって配達をズルする配達員がいるからでもある。今世間を騒がす厚生労働省の統計問題では、ズルする官僚を全員クビにして、AIロボットにやらせた方がいいと僕は思う。

かわいそうだからAIにした方がいい仕事もある。たとえばコールセンターのカスタマー対応。センターの人が悪いわけじゃないのに、電話をしてくる客は怒鳴りまくり、当たり散らす。カスタマー対応者はひたすら謝る。心がきつくなる。すぐ辞めてしまう…。

ヒトはズルをし、ミスをし、怒る。つまり、「ヒトの感情があるところにAIあり」となる。…だとすると、ほとんどの仕事は代替されますよ!

そう考えると、AIの導入でいかにも人は平等に扱われ、ミスもなく、だから心おだやかになる、という筋書きである。果たしてほんとうにそうなのか?

答えはもちろんYESでもあり、NOでもある。

たとえば電車はAI運転士とAI車掌のコンビで自動がいいかもしれない。だが沿線で事故があった場合、車内に取り残された乗客は、ひたすら車内アナウンス「XXXの事故でただいま全線が停止しています。お客様にはたいへんご不便をおかけしますが…」を繰り返される。イライラする乗客はますますイライラする。そこに心のこもったナマの言葉で陳謝したり、ジョークの一つも飛ばせるまで、AIはできるのだろうか。

ふと思い出すのは新橋の甘味処、御菓子の「文銭堂本舗」である。ショーケースの中の甘みをあれこれ選んでいると、年配の婦人の店員がしずしずとお茶を出してくれる。それも絶妙の温度である。無駄なお勧めもせず、訊かれたら的確に答える。あのサービスがAIに務まるとは思えない。

やっぱり運転からだろうか。たとえばタクシーも自動運転になったとしよう。出張先でタクシーに乗る。自動ドアが開く。重量センサーと動画分析で客の乗車終了が確認されるとドアが閉まる。

客「XXX病院へ」
AIドライバー「ハイ、XXXXですね。AIマップで最短でまいります」
客「よろしく」
しばらく走ると沿道で開く桜並木に差し掛かる。
客「綺麗だね」
AIドライバー「何のことでしょうか」
客「桜だよ」
AIドライバー「開花日は●月●日でした。例年より●日遅いです」
客「お花見が楽しそうだね」
AIドライバー「ワタシは花見の習慣がありません」
客「それは残念。きゅっとやりたいもんだ」
AIドライバー「ワタシは飲みません」
客 「飲むのは困るわ」(笑)
AIドライバー「ハイ、ワタシはただお客様に仕えるために走ります」

まるで強制的なマニュアル笑顔のような客との会話も、きっとこなれていくのだろう。SF映画でロボットが感情を持つように、もっと会話できるようになるのだろう。

え?AIロボットが感情を持つようになるって?それじゃ意地悪したりサボったりするヒトと同じですよ!(笑)またヒトに意地悪をされて非効率な今の時代に逆行してしまうのだろうか?

そうだとしても、もはやその頃には、世界がAIによって全てが効率化されてスムーズになって、イライラもワクワクもなくなった人類は、すでに何の感情を持たなくなっている。だからサービスが良かろうが悪かろうが、何ごとも起こらないのかもしれない………

原稿、ひと段落…ほっと。

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