ゴーン…Gone with the money

名画「風と共に去りぬ(Gone with the wind)」をもじっていえば、「カネと共に去りぬ(Gone with the money)」となりそうな日産自動車会長カルロス•ゴーンの事件でした。

昨夜(11月19日)、日産自動車の西川広人社長がひとりで記者会見をしたネット中継があった。立派な応対に感心したが、この方がいても、またたくさんの善良なる社員がいても、「名経営者、唯我独尊に走る」を止められないものだなと、僕も自分の体験にいる経営者を思い起こして、私的流用が激しかったあの社長は…、セクハラしてしまったあの社長は…、と思い起こした。

いかに名経営者であっても、カルロス•ゴーンは創業者ではなく、単なる雇われ経営者である。虚偽や私的流用など不正があればすげ替えればいい。それだけのことだともいえる。

さて、経営者の仕事は「経営すること」である。

儲かる経営、立て直す経営、安定させる経営…といろいろあろうが、その時その場の目標を組織的に実行することにある。実行をする材料を資源という。第一に人である。モノを作る人もいれば、売る人もいる。お金を数える人もいれば、会社や商品をアピールさせる人もいる。彼らは経営の部分である。その人材を軸に、ノウハウや設備やブランドを合わせて、すべてを我が力の下に治めて動かすーその実行力と欲望を持つ者が経営者である。

経営は心理学だと言った経営者がいたが、まさにその通りで、そこには「縦ぐし」と「横ぐし」がある。

「縦ぐし」とは競争である。売上を伸ばせ!シェアを拡げろ!儲けを増やせ!、M&Aしよう!…いろいろな手法があろうが、とにかく組織を「走らせること」である。それだけではいつか息切れするし、儲けが軌道に乗って安定期に入ったときには別の価値観も必要になってくる。

それが「横ぐし」である。たとえば天職、すなわち自己実現の夢を見させること。これを作ればものすごく満足できると社員の心に訴えるとか、顧客満足や社会貢献といった目標を授けることもある。社員に、そもそも持っていた目標を多様化させ、あるいは深まりを与えるものである。

つまり経営者というものは、その組織でその時、一番何が必要か、それを見極めて先導できることである。その作業に醍醐味を感じることが経営であり、あれこれやっておもしろくなくなったら辞めればいいのである。おもしろくないのに続けるところに間違いの元がある。蓄財を楽しむ余地が出てきてしまう。最初から4年、長くても8年と、決めてかかるのが一番良さそうだ。

つまり経営者にこそ、目標の適切な変化が必要なのである。

目標の変化を、僕が「ドクターの肖像」で書かせていただく名医の範にならってみよう。医師の目標は「病を治すこと」にあり、そのために基礎研究や臨床研究、手技や技術の開発、体力や知能維持に邁進する半生をおくる。だがやがて「疑い」を持つ人もでてくる。

治すことに疑いをもつのである。

外科治療でがんをとった、だが転移した、それでいいのか?というのはわかりやすい例だが、自殺して下肢轢断になった人を救命すべきか?人工呼吸器を外すと死ぬ人を生かし続けるのか?90歳の認知症の人に腎臓透析をして苦しみ続けさせるのがいいのか?

治すという意味をほんとうに考え出すときがくる。なにしろ人間は生老病死、未病の生き物である。寿命というものがある。では、治すとはいったいなんなのだろう?生きたいという気持ちを最後まで美しくまっとうさせることではないか。そう考えたとき、がんで余命が見えた人に、生きがいから死にがいさえも授ける立場になる。

目標をより高いものへ変化させられることーそのを吹かすこと、それが人間の真のあり方なのだと思う。よく言われる「人間、変われなくなったらおしまいだね」が意味するのはそういうことなのだ。蓄財はそこで使ってこそ意味がある。かくいう僕は蓄財がゼロなので、そっからだなと思うのだが(笑)

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