本屋の逆襲

拙著『家族医 心の病がなおっていく道』をもっと売り込め!という指令が、小松信明先生から下ったので、ここ数日やや営業に注力しています。

出版社(人間と歴史社)の方で取次や書店営業、そして広告掲載までやってもらっているので、著者として何ができるかといえば、インフルエンサーを探すこと、心の病の当事者(患者やその家族とりわけ母親)を探すこと、あとはメディアPRである。自閉症やうつの支援者団体や企業(心の病の人を積極雇用する会社など)、本の批評サイトへの依頼など、家族との確執に長年悩んでいたある芸能人までアピールしてみた。

図書館も行った。地元松戸市図書館は、個人の寄贈を普通は受け付けないが、本書は蔵書にしてくれた。検索すると「貸出中」となって次の予約も入っていた。その勢いで千葉県立図書館や流山市図書館(同市は子育て支援で有名)でも蔵書にしてくれた。しかし図書館は買ってくれる流れになりにくいので、このあたりで打ち止め、書店直接営業もやってみた。

小松先生は山形では知られる人ゆえか、コンビニでも置いてもらったというが、それは都会では無理だ。数店にあたったところ「本社が取次と決めている」とやんわり断られたところが多く、1店だけ「仕入れましょう」と言ってくれた。女性店長のそのお店は、ショッピングセンター内にあるせいかかぎわいもあり、購入客も多い。だが郊外SCの書店もよく閉店しているのに、なんでこの書店は流行っているのか?

ジャンルごとの品揃えに目配りがある。小説家の全集があったのにはびっくりした。新聞の批評本はすべて取り揃えているし、椅子も多い。おばあさんが座り読みして買わずに出ていったが、きっと次は買うだろう。医療関係の書棚を見ると、これが専門から一般まで実にバランスがいい。店長が有能なのがわかった。ドクターの肖像でインタビューさせていただいた仲野徹先生のベストセラー(ボケとツッコミの病理学の本)もあった。少しくやしかった。

一方、本当に地元の、アパートから数十メートルにある「ちっちゃな本屋」にも当たった。高齢者二人で切り盛りしているようだし、何しろ商売さっぱりのようで、どーかな…と敬遠していた。エイヤと入ってみると、地元の古老が椅子もってレジ前にどっかと座り、店主のじーさんとおしゃべりしている。じーさんに委託販売をお願いしてみると、彼曰くー

本はまったく売れん。ベストセラーだって漫画だって売れん。子供もいないし、昔はいっぱい来たよ。みんなネットで買うんだ。かつて地元の作家の本を預かったこともあったが、まったく売れなくてね。(見ればすっかり汚れていた)無駄だから最初から断ることにしているんだ。あなたも文なんて書いたって食えないよ。

こんな諦めじーさんだからダメなんだ!週刊誌ぱっぱ、実用書ぽっぽ、漫画とととと、専門性皆無、品揃えの思想も皆無、エロ本さえない。こんな本屋に誰が来るもんか。フタバテイシメイ!と心で叫んであとにした。

たとえば僕なら医療でおもろい品揃えしてみせよう。

入り口から入って左手の棚には、新生児医療の本、子育て支援や子供の病気を治す本、それから思春期の心の問題の本へと続く。真ん中の棚には、がんの治療法や代替治療、がん遺伝子の話やiPSや細胞治療•免疫療法など注目分野、生命科学者の伝記、日本を代表する名医の本も臓器別に揃えたい。そして右の棚にいくと、成人病の予防とリハビリテーションの本、介護や認知症予防の本、そして一番右手はホスピスだ。中央はずばり何でも診てくれる「家庭医/総合医/かかりつけ医」の情報をたんまりと揃える。

人間の生死をテーマにぐるっと品揃えするのだ。

本屋をつぶすのは不勉強な店主のせいも大きい。各店舗仕入れしない経営のせいもある。ようやく電子リーダー本なんて読めんとみんなわかってきた。印刷本も本屋は逆襲できる。僕はそう信じている。

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