ギャラリーf分の1、さようなら。そしてありがとう。

1999ー2017展というタイトルで、御茶ノ水のギャラリーf分の1で展示会が開かれている(1月21日まで)。展示作品は488枚のDM。過去19年間、このギャラリーで開いた488回の展示会。

年末に「ギャラリーをクローズする」というお知らせをもらって出かけた。何事も始まりがあれば終わりがある。ギャラリーという商売は決して商売にはならない商売なので、道楽か酔狂か資産家か、いずれにせよ物好きしかやらない。僕はある理由からそれをよく知っている。その仕事をなんと19年もやったのがオーナーの舘野さんだ。一番最初の展示会が写真家大石芳野さんの3回連続の展示会だったという。

当時のオーナーが左、写真家が右。

彼女の写真に惚れて始めたそうだ。しかも一番最後の展示会が、やはり大石さんの展示会だった。行かなくてごめんなさい。さすが計算ずくなのだな。

しかし驚かされたのが488回という回数である。19で割り算してごらん。毎年25回平均、各1週間として年の半分以上は展示会をしていた。毎年1月から2月は寒いのでお休みで、たしか8月もお休みだった。だからすごい。展示会をやってみればわかるが、ほんとにすごい数だ。なぜそんなにできたんだろう。

たしか2011年頃からか、両手両足で数えるほどしかお訪ねはできなかったが、展示会はいずれも個性的だった。具象も抽象も造形も何か一貫したものがあった。テクスチャっていうのかな、なにやら肌触りがあった。いつも触りたくなるものが多かった。今日、初めてお会いした舘野さんの夫と話しをしていて、その理由がなんとなくわかった。ギャラリーの名前、f分の1なのではないか。ギャラリーのウエブサイトにこう説明がある。

「f分の1とは、自然な心地よさという意味をもっています。」

オーナーはひたすら心地よい作品を選んでいたのだ。もうひとつ、お伝えしたいことがある。19年前のある日のことだ。映画の仕事をしていた夫は、御茶ノ水から山の上ホテルを抜けて神保町に抜ける裏道を歩いていた。するとこのビルの半地下のスペースに「販売物件」という看板を見た。「ここだ!」と閃いて即決購入したという。

それはギャラリーをやりたい妻の夢をかなえるためだ。だから舘野さんは年がら年中、19年もやれたのだ。これにはひどく感銘を受けた。私にそんなことができるだろうか。ともかく、オーナーお疲れさまでした。どうもありがとうございました。終わりはまた次の始まりと言いますから、またどこかで会いましょう。

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ギャラリーf分の1、さようなら。そしてありがとう。」への4件のフィードバック

  1. Facebookでギャラリーf分の1を検索してたどり着きました。今日、f分の1最終日に、舘野さんに会ってきました。というか、私、f分の1の展覧会には片手で足りる回数しか出掛けたことはありませんでしたけれど笑。投稿文、拝見しました。ご主人が半地下の販売物件を見掛けられて購入を決意されたというクダリ、私が舘野さんから聞いた話とはちょっと違いますね。このf分の1の場所には昔、紅茶専門店TeaRoomAssamというのがあって、私も舘野さんもお気に入りのお店だったのですが、いつの間にか閉店してしまったのです。その後、どういう経緯で、あのスペースが舘野さんの所有になったのかは分かりませんが、素敵なスペースがなくなってしまい、とても残念です。舘野さんの所有権は続くそうなので、ギャラリーとかカフェとか新たな展開があればいいなぁ♪と思っております。突然のカキコミ、大変失礼致しました。

    1. ありがとうございます。
      そうなんですか、あそこは紅茶専門店でしたか。すると、それが閉店されて、そのタイミングで購入されたのかも知れませんね。
      またご主人には白内障の名医も紹介すると約束しました(^^) いつも終わりは次の始まり。良いスペースなので、何か始まればいいですね。ありがとうございました。

  2. 返信ありがとうございました。かつてTeaRoomAssamでアルバイトしていた女性のホームページを確認したら、TeaRoomAssamが閉店したのが1999年、ギャラリーf分の1の開廊が1999年ですから、この場所が売りに出された直後に購入されたのでしょう。店内のお席とともに、テラスにも席があり、というよりも、テラス席の方が多かった気がします。緑の観葉植物に覆われて、静かな時間が流れる、とてもいい空間でした。その心地よい空間を舘野さんは継承したかっただけなのかもしれません。余談でした。失礼m(__)m

    1. そうですか。ありがとうございます。
      ぼくは、ある夢を持って活動されている女性の知人がいて、
      余計なことですが片思いになりつつあるのですが(^^;
      とても館野さんのご主人のようには夢を叶えてあげられないなと、
      ご夫婦の心持ちが、いたく心に沁みいった次第でした。
      アートと紅茶の向こう側にあるもの、きっと愛ですね(^^)

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