生産性と新陳代謝

2018年の僕のテーマは「生産性と新陳代謝」である。

それは「もっとたくさん仕事をしよう」「もっと売上をあげよう」という思いから出発した。連載の「ドクターの肖像」に日にちが取られ過ぎており、この負担を減らして他の執筆や連載をしたい。目標は「肖像を(実質)1週間で書く」である。今は2週間以上なので半減が目標である。

時間がかかる原因は何か?それは「ゆきつもどりつ」、すなわち書き直しである。

編集者に言われて書き直しをするのは、自分の書き直しがまだあるからである。自分の書き直しをなくすためには次の3つの問題を解決したい。

1、人物把握の問題
2、文章構造の問題
3、集中力の問題

人物把握の問題は、描きやすい人、描きにくい人がいるのは事実だが、その人にいかに「のめりこむ」か。言葉と行動の理解、仕草や風体への洞察が基本であるが、一歩進んで「なりきる」ようにしたい。

文章構造の問題では、その人の物語と伝えたいメッセージ(キーワード)を読者目線で統合させること。構造が良ければ伝わるし、悪ければ伝わらない。言葉の力は構造から生まれる。まだまだ修練が必要である。今書いている外科医に修練のヒントがあった。

彼は「手術は手でなく頭でするもの」という。「頭」とは手術計画である。手術には術式があり、切開•切離に作法や手順や理がある。それを実践するのが正確無比な手術の所作である。できるようになるにはひたすら優れた手術者の手術をまねることだという。一方、術式があるとはいえ患者は一人一人違う。手術中には思わぬこともある。そうなったらどうするかをあらかじめ考え抜いておく。術式通り、予想外も予想内であれば縫いもどりがなくせる。

なるほど!である。50代の手習いであるが、素直になって「書きもどらない方法」を学ぼう。ひと昔読んだ「文章読本」のたぐいだろうか。谷崎潤一郎や丸谷才一、清水幾多郎、あるいはテキトーにあげると瀬戸内寂聴とか今東光とか、とにかく大正や昭和の文豪がいい。彼らは「ペンで書いていた」のだ。どうやって万年筆で一気呵成に書けたのか?文の書き方というより彼らの計画、彼らの修練を知りたい。

最後に集中力の問題だが、執筆中にネットを見たりSNSをしたりしない(あるいは減らす)のはもとより、心の体力が問題である。年ともにそれが落ちて生産性が落ちる。ありきたりだが体操や散歩、サイクリングなど体を動かし、しっかり睡眠をとる。素直になることも含めて、心と体の新陳代謝が必要である。

以上、書きもどりなく書こうという新年の思いでした。

最後になりましたが明けましておめでとうございます。

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