親を語るとその人がわかる。

ASEAN留学生就活講座、今期の講座全10回のうち昨夜は5回目。前回と今回はプレゼンテーションがテーマである。

就活に必要なのは「喋れること」、日本人であろうと外国人であろうと、自己アピールや志望動機の説明、怖そうな面接官に質問をしたり、グループ討議の発表やインターンの成果発表をしなければならない。そうでなくても社会人になったら上司やお客さんと話さなければならない。喋れることは社会人にとって一番大切である。

しかし、うまく話せる必要は「まったくない」。

脈絡のないおしゃべり、オチのないダベリはいけない。だがうまい語りもいらない。本当に思っていることを素直に話せればいい。それだけである。話す内容ではなく「こう思っている」「そうしたい」という熱気があれば伝わるし、なければ伝わらない。たとえ相手の答えがNOでも、本当に思っていることであればそれでいい。面接も営業も時の運、結果はあてにしないほうがいい。

演習では一人ずつ90秒スピーチで、昨夜は「親のこと」がテーマである。どんな親か「一言」で語る。それをどう思っているか、だからどうしたいか。約20人のスピーチの中で特に2人のスピーチが心に残った。一人は男性で、こう話した。わずか20秒のスピーチだった。

「私の母は私を信じて、守ってくれて、愛してくれました。大好きな母です。ありがたい気持ちでいっぱいです。以上です」

彼は見るからにナイスガイである。明るくて、強くて、すくすく育てられた感じがする男子だ。一方、次に話した女子はこう話した。

「私の父は営業をしている人で、怖かった。勉強でも進路でも、父は自分の考えを押し付けようとした。父の意見は絶対だった。それが私は嫌で、私は自分がやりたいことを絶対やろうと思いました」

だから彼女は親の反対を押し切って日本に留学した。母は?と訊くと、母は父と子の間に挟まれて何も言えない弱い人だという。典型的な家族崩壊である。

親が優しくて仲が良いと「いい子供」になる。仲が悪ければ「悪い子」になる。いや、たんにそう見られるだけだ。後者では子は離れようとして、それは一見して「自立」なのだが、本当は逆で親に渇望している。本当の自立は先延ばしであり、あるいはできないかもしれない。

親を語るとその人がわかる。その人の過去も現在もわかる。なかなか未来を変えるのはむつかしいができないことではない。ともあれ、心にある本当のことの語りは心に響く。

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