雨ニモマケズ

今日は全国的に雨だった。だから彼はこの詩編を送ってきたのだろうか。

長崎に住むMカメラマンに「そっちは大雨だそうですね、大丈夫ですか」とメールを送った。すると「ロケが中止になりました。高知の海でずぶ濡れになった編集者さんに、この台風で側溝に落ちないようにお伝えください」と返信があり、ついでにこの詩編を送ってきた。宮沢賢治の「雨にも負けず」である。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ 
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノカゲノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

3回読んでみた。最後まで読んだのは初めてだろうか。まずこの詩編が賢治の手帳に書かれて死後みつかり、詩として刊行されてきたことを知らなかった。この詩はまさに死と隣り合わせだったのか。

知らない字句もある。「決シテ瞋ラズ」でこれは「怒らず」と読む。「ヒドリノトキは」は日雇い(日取り)や独り、日照りと諸説あるようだが、ぼくは独りだと思うが日照りとしておこう。1行1行自分に当てはめてみた。

雨ニモマケズ 《負けてたまるかというが》
風ニモマケズ 《いつも負けるばかりだ》
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 《寒さには特に弱い》
丈夫ナカラダヲモチ 《非常に弱き体をもち》
慾ハナク 《どっこいまだ性欲はある…^^;》
決シテ瞋ラズ 《怒る気力もなくなってきた》
イツモシヅカニワラッテヰル 《いつもしかめつらしている》
一日ニ玄米四合ト 《そんなに大食いではない》
味噌ト少シノ野菜ヲタベ 《野菜は欠乏している》
アラユルコトヲ 《愛する人を》
ジブンヲカンジョウニ入レズニ 《真っ先に考える》
ヨクミキキシワカリ 《自分ばかり喋る癖がある》
ソシテワスレズ 《物忘れはたびたびである》
野原ノ松ノ林ノカゲノ 《小さなローカル線の》
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ 《築20年のアパートに住む》
東ニ病気ノコドモアレバ 《妊娠中の娘が北国にいる》
行ッテ看病シテヤリ 《でもお呼びではないと言われる》
西ニツカレタ母アレバ 《母は亡くなった》
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ 《もっと母のためにあれこれしたかった》
南ニ死ニサウナ人アレバ 《さいたまによく働く娘はいる》
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ 《ブラックで死んじゃいかん》
北ニケンクヮヤソショウガアレバ 《家庭裁判所はお世話になった》
ツマラナイカラヤメロトイヒ 《もうお世話になりません》
ヒドリノトキハナミダヲナガシ 《台風もつらいが日照りもつらい》
サムサノナツハオロオロアルキ 《夏が寒いと国が滅びる》
ミンナニデクノボートヨバレ 《変人と思われている》
ホメラレモセズ 《まったく褒められない》
クニモサレズ 《ぼくを嫌う人もいる》
サウイフモノニ 《いっそのこと》
ワタシハナリタイ 《猫になりたい》

せめてこの大雨だ、大変なところがあれば助けにゆこう。足手まといになるだけだが…^^;

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