次かその次のアセアン留学生就活支援講座で、教えたい言葉を見つけた。
今の若者に必要なのは、就職する力より転職する力。とうに終身雇用の時代は終わりました。キャリア教育の中で手取り足取り、どんな仕事にするか、選ぶ力を教えるのとはむしろ逆。自分の判断で選んだり辞めたりする力を身につける。(中略)どう方向転換するか人生に迷ったときに自分自身に揺さぶりをかけ、選びとってゆく力が必要なんです。
劇作家で演出家の平田オリザさんの言葉。『天然生活』2017年2月号の「会うこと、聞くこと」から。
去年から今年は人手不足、売り手市場で、企業の内定がたくさん出ているけれど、ゆとりある就活で自分にゆるかった世代が、その後どう転落してゆくかぼくは知っている。やっぱり自分がほんとうにやりたいことをしっかり考えるのが、就活で一番大切なことだと思う。ぼくはそれを毎回講座で強調している。
けっして「時代に合わせてうまく生きなさい」という処世術じゃない。どんなに予想しても、結局10年後になくなる仕事、ロボットに取られる仕事はある。それは仕方がない。だから転職なんて当たり前なのである。ただその仕事のコアにあるものは、給料もらいながら転職前にしっかり学びなさい。
それは「どうお客さんを喜ばせるか」である。
うれしいとか、
痩せたいとか、
ためになったとか、
ほっとしたとか、
危機を避けられたとか、
前向きになれたとか、
選んでほしいとか、
教えてほしいとか、
今の仕事でもお客さんの喜びはいろいろあるだろう。その中で、お客さんのどういう喜びが自分にとって嬉しいか。それを知ることが天職に近づくことだ。
大きなジャンルで仕事を決めるときにも、仕事に慣れて惰性になったときにも、慣れてもっとレベルを上げたいときにも、うまくいかなくて泣きたくなったときにも、自分はどうやってお客さんを喜ばしたいんだっけ?と自問自答しよう。天職はどんどんとんがってゆき、ほんとうの天職になる。自然に技術やノウハウやアイデアが増えてゆく。
ぼくは愛する人を飛び立たせたい。オンリーそれだけ。
コメントを残す