家族

内容の詳細は省くが、今回の医師インタビュー原稿も9合目まで来た。

昨夜、ある邸宅に居候する夢をみた。中庭をぐるりと囲んで一部が二階建てで、ほぼ平屋建ての家屋である。ぼくは中庭の向こう側の部屋に案内された。畳敷きの6畳間、本棚がひとつあるきりである。どうやら落ちぶれた実在の親戚の邸宅の夢らしい。家族が離散して部屋が余ったのだろうか。

そこで目が覚めた。猫のピノ子がにゃっ、にゃっ、にゃっと扉に向かって鳴いていた。携帯を手探りで見ると、就寝後2時間も経たない真夜中だ。るせー!と言いながら扉を開けた。そこは狭いベランダである。うれしそうに床でゴロゴロしだした。

「ピノ、生まれ変わったら一緒にあの大きな家に住もう」

大きな庭で遊びたいよな。でもぼくはマッチ売りの少女のように、売れない文をいらんかな〜と売り歩いている。貧乏な飼い主でごめん。寝ようとするとピノ子はそのあとも、にゃっ、にゃっとごはんだ、おしっこだ、あそべと、ぼくを何度も起こした。結局、ほとんど眠れずに朝だ。仕方なく原稿を書き出した。

午前中で9合目まで書けた。昼寝して昼ご飯食べて洗濯買い物をして読書した。だがまだ囁きが聞こえる。「医師像に不足あり」と。なんだろう?夜掃除をしながら気づいた。

それは、家族だ。

医師としての姿は描けた。まだ家族が見えない。だから厚みが足りないのじゃないか。

もちろんいつも医師の家族を原稿に書くわけじゃない。医師は離婚したり再婚したり家族そっちのけの人も多いし。でも今回の医師の仕事には家族が関係する。もう字数の余裕はないが書き入れたい。どこにどう入れようか…

と考えていたら、また気づいた。ぼくは家族で失敗してる。離婚して子供たちもばらばらだ。家族愛なんて書けるガラかと。うーんと唸っていると、さらに気づいた。家族はいた。

ピノ子である。狭くて小さいアパアトに同居している。きみとは仲のいい家族でいたい。

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