決してジグソーパズルのピースは、真ん中に置くだけではない。
ある経営力があり実績もたくさんあげてきた医師(病院経営者)のエッセイを読んでいたら、最後にこの一文があった。医療を巡る環境変化は、ここ3ー4年激しく、これから病院がバタバタ潰れるといわれる。だがこの名病院経営者は先手先手を打ってきた。
それゆえにか、この何気ない比喩は奥が深い。どういう意味なのだろうか。
「分をわきまえよ」とも読める。センターを張る力も地位もないなら角へゆけ。ニッチで生きよ。ゆえに「自分の組織を知れ」とも読める。何しろジグソーパズルは「一つ一つ形が違う」自分が生き残れる場所で、自分の特性を活かしなさいと。
あるいは「全体を見よ」とも読める。ピースをどこに置くべきか、市場や地域を俯瞰して見よ。もっと言えばこれからは「医療ではなく経営をせよ」とも読める。医療者が医療だけのことを考えてやれる時代は終わり、地域の中で収入と費用のバランスをきちんと取れないと、「病院は死んでしまう」とも読める。
もちろん組み合わせパズルなので隣と隣がっちり組み合って初めて「形ができる」というメッセージにも読める。たったひとつなくてもパズルは完成しない。まあ無いならそこを空けておくしかない。それが倒産かもしれないが…^^;
こんな空想がどんどん広がる一文である。ではこの経営者自身、パズルをどう完成させようとするのか?
これまでの打ち手を見てゆくと、まず隅にピースを置いてだんだん内を埋めていった。いつのまにか四方の角を陣取っていた。さらに角同士をつなげて、四方をぐるりと囲んだ。内側のピースはよその病院に自由に埋めさせた。主導権はこの経営者が握りながら、みんながハッピーになるように盤上(地域医療)を作りあげてきた。実に賢い経営者がいるものだ。
〝ことばの木〟しぶとく生き残っています…^^
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