ギリギリの男

やっぱりそうか…皆がぼくのことをギリギリの男だと見ている。マアぼくも自分をそう見ているけれども。

午前中に翻訳仕事と文章修行を終えて、午後から都会に出た。秋葉原駅の成城石井で或る紅茶を探したが品切れだった。舌打ちをして和泉橋を渡った。解体前の三和ビルが見えた。岩本町の交差点を渡り東神田のmamas creatorsに出向いた。用事は特にない。行くと珍しくS村さんがいた。久々に会うと開口一番、

「思ったよりも元気そうね。ホント、ダメかと思っていたわ」

三和ビルのギャラリー閉鎖後、郊外の家に引っ込んで、ボソボソ書いてよく生きているネと驚かれた。実際、ぼくは痩せたようだ。先日の健康診断で体重減を告げられた。メタボ健診で腹囲をぎゅっと締められて1cmほどスリムにされた。S村さんは哀れに思ったのか食糧をくれた。災害備蓄品の定期入れ替えで出てきたカロリーメイト。

期限切れだけど、食べます?
「カロリーメイトなんて賞味期限は無期限でしょう」
「なことは」
「宇宙栄養食だから一光年もちます」
「ええそんなに!」
「仮死状態で宇宙旅行をするでしょ。100万年後に目を覚ます。お腹が空いたな…ふと思いだす、そういえばカロリーメイトがあった!と。まだまだ食べれる」
「まずそう」
「頬張るとレイヤ姫になれます」
 そこでS村さん、
「いやあたしなんかはミイラ姫よ!

座布団を一枚を差し上げて、mamasを後にした。神田に向かって歩き出すとハダカ姫がいた。

Fギャラリーにも立ち寄ろうと思ったが疲れてやめた。代わりに三越まで歩いて地下食品街で紅茶を探したがなかった。内神田の職人の家に行って御朱印帳商品の仕上がりを受領した。クソ重たいダンボールをガラガラとキャリーで運んで郊外の家に着いた。日々ギリギリなのは間違いない。お金でも、乏しい才能でも、愛への希望でも。

カロリーメイトも食品としてギリギリの味である。賞味期限ギリギリの男にふさわしい。

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