新横綱稀勢の里が逆転で優勝した。2日前の取組みで負けて肩を痛め、休場かと危ぶまれた。昨日、群馬からの帰り道、自動車の中でラジオで相撲中継を聴いた。痛みのせいか、あっという間に負かされた。ああやっぱりダメか…。
ところが千秋楽の今日、人が変わったように照ノ富士を破り、優勝決定戦でも破った。すげえな…と思ってネット記事を読んでいたら、読者コメント欄にこの言葉があった。
「まさに立場は人をつくるですね」
横綱という立場=地位が人をつくった。その通りだろう。その力はどこから湧いてきたのか?横綱は号泣したインタビューをこう締めた。
「今日の千秋楽にあり得ない力が出たので、また一生懸命けいこしていきたい」
ありえない力は横綱という立場から出た。角界の頂点であり誰よりも強い。立ち合いで身をかわしてはいけない。正々堂々と勝たねばならない。ケガのせいにしてはならない。そういう立場である。
…と思っていたら、ちょうど刷り上がりホヤホヤで、今日到着した『ドクターズマガジン』2017年4月号の若き医師のコラムに、同じ言葉を見つけた。
36歳という年齢で得ることは、何ものにも代えがたい。「立場は人をつくる」のだ。
福島第一原発から22kmにある118床の高野病院。地域の唯一の病院で粉骨していた高野英雄院長が火事で亡くなり、1ヶ月間、院長が不在だった。そこへまさに火中の栗を拾うように院長職を引き受けたのが、都立駒込病院の中山祐次郎医師である。彼は責任を負うことで自分が成長できると考えた。医療者としてのスキルアップ、組織の長としての運営、そして住民3,000人、原発作業員3,000人の命を守る。大した男である。
自分には高いと見える立場に立つことで成長できる。自分がつくられる。ありえない力を出すために必要なことは、ただひとつーそれまでの稽古である。ちょうどあと数日で新年度、新しい立場に立つ人も多い。「立場は人をつくる」を胸に刻んでがんばりましょう。
猫のこの立場はパソコンを傷める…(^^;;
コメントを残す