Chuck Berry/チャック•ベリー、90才で逝く。youtubeで彼の曲を聴くとあらためてすげえなと思った。
音楽鎖国の若い世代にはChuck Berryって何?だろうけれど、ジョン•レノンは「ロックンロールを別の名称で言い換えるなら〝チャック•ベリー〟だ」と言った。
じゃあロックンロールとは何だろうか。
チャック•ベリーを聴いてまず思うのは「曲の短さ」である。どの曲も2分何十秒なのはラジオでかける制約があったからだが、短さがキモチいい。5分も続くロックンロールは間延びしている。他にも「踊れる」とか「即興がある」とか、舞台技術の向上で「少人数で数万人の観衆を相手にする」とか。要するに音楽も音楽ビジネスも、若者の音楽への夢もロックンロールはすべてを変えてきた。
ぼくが物心ついて音楽(洋楽)を聴きだしたのは1970年代前半からで、音楽史的に見ればロックンロールはすでに中途半端であった。ビートルズは解散し、ローリング•ストーンズは次のアルバムを模索していた。ストーンズのロンドンデッカ時代の〝全集〟から知ったチャック•ベリーもマディ•ウォーターズもすでに〝伝説〟だった。ノスタルジーというには新しすぎるし、同時代というにはおこがましい。その時点でチャック•ベリーが創造したロックンロールは終わっていたのだろう。
彼が「ベートーベンをひっくり返せ!」と歌った『Roll Over Beethoven』が作られたのは、彼の妹が家のピアノでクラシックを弾いてピアノを貸してくれなくて、「そんならベートーベンの墓をひっくり返してやる、チャイコフスキーにオレの曲を伝えてやる」と着想したからだそうだ。
ロックのあと現れたパンクにもグラムにもメタルにも、ましてヒップホップにも、ロックをひっくり返す力を感じなかった。チャック•ベリーをひっくり返せ!というのが次のロックンロールだと思うけれど、それはいつ出てくるのだろうか。
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