心がけ次第で、実りがあるのが中小企業診断士更新研修です。
年1回受講の研修、昨年サボったせいで今年度は2回駆け込み受けた。3月更新なのでギリギリ…(^^;)コンサルという虚業はもういいと思っていたが、講師の左近仁先生の話しを聴いて、また考え直した。
まず中小企業白書の解説のツッコミがおもしろかった。「アベノミクス」である。安倍首相の言う第三の矢とは「経済浮揚のために投資せよ」であるが、その意向が白書の随所にあるという。たとえば「借金をして投資する会社の方が、しない会社より経常利益が高い」という図表がある。あるいはTPP協定の解説で「メリットは書いてあるが、デメリットは書いていない」。つまりどんどん投資せよというわけである。だが、皆が投資して成功するほど商売は甘くない。失敗の方が多い。国の経済のために討ち死にしても…それがアベノミクスの一面である。
演習は「某鉄板加工会社の経営支援」である。
素材を切断して工場に納める従業員数50名の製造業、業績はまあまあだが、値引きはあるし、内需は縮小一方、同業他社は廃業もしている。内部でも社長の言うことが伝わらない、組織があって無い、定着率も低い。社長は三代目でサラリーマンをしていたが訳ありで前社長の父に呼び戻された。良い人なのだが…
皆の提案が出そろったところで、左近先生は「会社の良いところ」は何ですか?と訊いた。業歴の長さ、堅実、品質、職人…などが挙がった。はかばかしくない。次に「社長はどんな人?」と訊かれた。
おとなしい、三代目、優秀だが泥臭くない、外様、お坊ちゃん(都内有名大学卒でテニスボーイ)…と挙がってゆくと見えてきた。社内に溶け込んでない。つまり社長は孤独なのだ。だから左近氏の助言は「従業員と一緒にランチを食え」である。
思い出したのはS社の社長である。昼食は一人か、婿と食べていた。現場の人と和気あいあい食べれば違ったのかもしれない。何か生まれたかもしれない。収入的に余裕ができたら、小規模企業や商店のコンサルをしてみようと思う。NPOで構わない。小さな支援を深くしてみたいものだ。
ピノ子、キミはチョコくれなかったね…
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