アメリカン•ボートの魅力

今週のASEAN留学生を対象の「内定者向けビジネストレーニング講座」の資料を作っていた。テーマは「MECE」である。

MECE/ミーシーとは「もれなく、だぶりなく」物事を整理する思考技術である。経営資源は「ヒト、モノ、カネ、情報」、企業の価値チェーンは「開発>製造>在庫>物流>販売>入金」など、5W1Hも起承転結もMECEである。「ネコとイヌとヒツジとウシとブタとニワトリをMECEせよ」という設問も出す予定だ(^^)分けることで、提案書作成はもちろん仕事の品質がよくなる。

しかしこの世の中、必ずしもMECEできない。人は男と女にさえキレイに分かれない。心理的に性差があるし、肉体と精神が違う性同一性障害の人もいる。オカマもいる。

残業代をめぐる規制もMECEにはゆかない。36協定とか、そもそも残業が前提の業界もある。ITや広告だけでなく、サブコンやスーパーは土曜も日曜も休めない。ブラック企業とホワイト企業に分けられっこない。おおむねグレーばかりだ。

人も企業もMECEにするのはむつかしい。それなのにアメリカはつい最近「イスラム教徒が多い7か国からの移民を制限する」と言いだした。ちょっと待って!いつから?何世代前から?これからだけ?例外なし?ハーフは?クォーターは?

AppleのCEOはすぐに反応して声明を出した。『移民がいなければAppleは存在しない』である。クックCEOいわく「うちの社員はひっかかっる」。いやメジャーリーグやNBAもひっかかる選手がいるだろう。建国以来、アメリカは移民でつくられてきた。MECEできないところに強さと魅力がある

クックCEOの声明は次の言葉で締めくくられている。

最後に、マーティン・ルーサー・キング博士の言葉を借りましょう。「私たちは違う船でやってきた。しかし今は同じボートに乗っている」
 “We may have all come on different ships, but we are in the same boat now.”

アメリカン•ボートは〝アメリカ•ファースト〟だから魅力的なのではない。フトコロがでっかいから魅力的なのだ。

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遊ばないと遊ぶはMECEだろうか、ミャーシーだろうか…^^;;

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