引かせたら勝機あり。相手が引いたところから一気に攻めた。相撲はそうなんだが…
大相撲御嶽海が二つ目の金星を上げた。横綱鶴竜が少し引いた瞬間を捉え、突いて寄り切った。朝、師匠の出羽海親方(元幕内小城乃花)がこう言ったそうだ。
「引かせたら少しだけ勝機がある」
言われた通り横綱の突きに怯まず攻めたのが良かった。そこでひとつヒントを得た。「敵にしてはならない。味方だと思わせてふっと隙を生ませる。そこを突く」
というのも実は悩んでいることがある。ある人を懐柔したいのだ。それなりに組織のトップである。かつてぼくが仕えた社長達のように、その人もまた自分の主張を曲げない。トップはそんなもんだ。ひとつ提案を通したいのだが、ハナっから我々の提案には真逆の方針なのである。さてどうするか…
隙をつくりたいが、その後は突きたくない。突くと余計にこんがらがる。あくまでその人が主役であり、その人自身に決めさせたいのだ。そこで古典的名著を思い出した。『ハーバード流交渉術』である。本書の骨子はこうである。
1、人と問題を分離せよ
2、立場でなく利害に焦点を合わせよ
3、客観的基準を強調せよ
4、複数の選択肢を与えよ
なんだかドナルド•トランプに告げたい内容だが(笑)これに倣って考えてみた。ほのかに効能がありそうだ。
1、上に立つ者として「援助をしてあげる」という気持ちにさせる。
→プライドを傷つけることなく「支援者」として振る舞ってもらう。
2、真の利害は個人対組織ではなく、組織対組織である。
→個人と交渉しても小さい。組織対組織で交渉しよう。
3、今の小さな利益より、長期に長く利益を上げる方がいい。
→これも組織対組織という意味。
4、成果物をそのまま渡すのではなく、小さくして渡す(抜き刷り)
→これは我々当事者にだけわかる暗号である。
力あるトップは押してもだめだ。なぜなら自分がトップ(山の頂き)にいるからだ。YESと言わせるには知力、体力、統率力といった彼/彼女が誇示する力でない「何か別の力」で「ひょい」と凹みをつくるしかない。もう少し考えてみよう。
今夜のご飯でもまた吐きました…困った子だ。
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