2016年前半はしんどかった。でも6月を境に好転に転じて、暮れに向かってアゲた。ピノ子がうちに来てくれたからだ。
黒猫は飼い主から捨てられて淋しげだったけれど、目が合った瞬間、この子が来るときっと良いことがあると直感した。確かにそうだった。6月まではギャラリーは閉まるし、離婚もこじれて金銭問題もあった。文章仕事は奮闘したが、もう一歩、人間への突き抜け感が出せなかった。何よりひとりぼっちがつらかった。
ところが10月になると離婚成立、お金の問題も解決した。文の仕事も自分なりスゲエのが2本書けた。心療内科の原稿も来年には日の目を見せる自信はある。創作修行はまだまだだが何をどう書けばいいかは明瞭に見えた。6月から引き継いだ御朱印帳の制作•販売は、試行錯誤の連続だったが、10月にふっと突破口が見えた。以降販売も伸びて、大口の問い合わせも何件も来ている。講師業の中断期には翻訳の仕事も下さる方がいた。モノでもツいている。1年が楽しくなる卓上カレンダーをもらったし、CDカセットコンポを下さる方がいてレコードもカセットテープも聴けるようになった。ありがたひ。
どれもピノ子のおかげ。いやこの子が幸運をもたらしただけではない。
ピノ子を心から可愛いいと思えたことで、自分に素直になれるようになった。心が落ち着いてきて、自分も人も許せるようになった。「誰かのためにしたい•生きたい」と素直に思えるようになってきた。これがでっかい。
もうひとつ、心を自由にするアンカーを下ろしてくれた本があった。
『21世紀への遺書』(三石巌著)である。この本を教えてくれた人が「知ることは自由になること」と言った。知るからこそ揺るぎなくなれる。揺るがなければ、自分らしくないことはやらない。余計なことに惑わされない。だから自由になれる。
誰かのためにがんばって2017年は〝収穫期〟にしたい。
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