聖夜の鳩

あなたのクリスマスツリーの下にはどんなプレゼントがありますか?

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スイートなプレゼントをもらった。組み立てるとクリスマスプレートができた。メリークリスマス〜♪ヤマザキプレートでごめんなさい(笑)お返しも日用品(チーズやココアやジャム)でごめんなさい。

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でもサンタのプレゼントはモノだけではないのだ。今日12月24日の夜は、サンタのプレゼントの話しをしてみたい。

知人と近所のスーパーに出掛けた。ときどき強い風が吹いた。スーパーの壁の広告シートがバサバサいった。買い物を終えて正面玄関から外に出た。すると知人が立ち止まった。

「鳩が!」

玄関の真ん前に小さな鳩がうずくまっていた。知人はそばに寄った。

「どうしたの?あ…折れてるみたい!」

右足が曲がっていた。右の羽根も曲がっていた。あたりには鳩の白い毛が散乱していた。知人は建物の上を見て言った。

「あそこにぶつかったのね」

二階のガラス窓に白い跡があった。その真下に傷ついた鳩がいる。おそらくほんの1分かそこら前に起きた。鳩はつぶらな瞳と艶のある羽根を持っていた。美しい若鳥だった。じっと立っていた。それしかできないようだった。小さな女の子が近づいてきた。

「どうしたの?」おさげの子は言った。
「鳩がね、あそこに当たってケガしたの」
「救急車、来ないの?」
「鳩には救急車がないんだ」
「どうするの?」
知人とぼくは首を振った。残念だが何もできないのだ。おさげの子は言った。
「おかあさん!来て!鳩が!」
お母さんは向こうの滑り台の方にいるらしい。子供たちと母親達がいた。
「おかあさぁん!」
おさげの子が何度も叫んだ後、ようやくお母さんは言った。
「触らないでね!」

ちょうどスーパーのカート整理のおじさんが来た。ぼくらは鳩のこと、ケガの状態、原因と思われることを話した。おじさんはうなずいた。そして軍手を脱いで鳩を捕まえようとした。鳩は一度二度前に歩いたが、抗う力がどうやらなかった。おじさんは両手で鳩を抱えて、スーパーの敷地にある植え込みの下にそっとおいた。

「せめて土の上の方がいいだろう。かわいそうだけどね」

散った羽根が風で吹き飛ばされた。ぼくはおさげの女の子に「祈ってあげよう」と言った。女の子は茂みの方に向かって両手を合わせた。お母さんは結局こっちに来なかった。ぼくらはスーパーを後にした。自動車ショールームを過ぎる頃、知人が言った。

「鳩はよくガラスにぶつかるの」
「そうか。鳩の世界にはガラスなんてないもんね」
「若いからガラスを知らずに速度をあげて衝突したのかも」
「でも治るかもしれないよ」
「そうねえ、だめだろうなあ」
「だめかな。きっと天国に行けるよね」
「サンタさんがソリに乗せて行ってくれるわ」
 今日はクリスマスイブだ。
「プレゼントを配り終えた後に、そっと乗せてくれる」
「生まれ変わったら、ガラスの無い国で飛んでほしいな」
「きっと来年のクリスマスには、プレゼントを配りに来るわ」
「サンタと一緒に」
「来る、きっと」

ぼくらのクリスマスツリーはイルミネーションに飾られた美麗なものではない。それは自動車が行き交う道路の脇、商業施設の汚れた植え込みである。だが今夜、その根元には、かけがいのない命というプレゼントが置かれている。聖夜に祈りをー

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