あと2週間ほどで2016年も終わりだが、良く生き延びた…というのが今年の感想である。普通の人なら一挙に来るとガクンとする、人生の一大事みたいなことが幾つもあった。
離婚して負債処理も終えて法人も清算した。ゼロに還ったと人にさっぱりと説明しても、世間から見れば眉をひそめて陰口もされているマイナス人間だろう。さらに軒下を借りるように仕事をしていたギャラリーの親会社が清算になった。これは人間関係でも、活動の場としも収入としても、痛い追い討ちだった。仕事はあれこれボチボチやってきたが、まだ「ぐいっ」と自分を引き上げることができない。大切な人との距離感もぼやけた。つまり精神的にキツい日々も多かった。そこに猫がやってきてくれた。裏アパートの飼い猫から迷い猫になってやってきたこの子と慰め合ってきた。この子の存在は大きかった。
だが波を越えると、不思議なほど落ち着きが来た。風に逆らうことはやめよう。いたずらに願うこともやめよう。だが、なすがままというのでもない。相手を幸せにしよう、それが自分の幸せだと素直に思えるようになってきた。すると前より弱い人がよく見えてきた。猫に強く甘嚙みされても耐えられる。そういう純粋な気持ちになれたことはなかった。さらに12月になって、知識が自分を広げる力になることを再認識した。それも大きい。
そこで今年の自分を表す漢字を考えた。素、だろうか。
素顔の素、素朴の素、素人の素、素足の素、質素の素でありたい。素行不良の素もあるが…^^; 素粒子の素まではゆかなくても、素に還りたい。ありのまま無理もせずかといって無為もせず。それは理想像であって実際はジタバタすることばかりだが、迷ったら素に向かう、選ぶなら素を選ぶ。その気持ちを来年も持ちたい。
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