君は美貌の少年のごとく現れ
君は羊たちに歌で魔法をかけた
君は羊を一匹二匹と空へ放ち
君は夢を追わせる羊飼いになった
羊たちは空を駆け
羊たちは風を抜け
羊たちは雲を食み
羊たちは光に散る
君はぼくの心に音を落とし
君は透明な羊飼いになった
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昨夜、飼い猫がぐわっぐわっと鳴いた。
始めて聞いた不安な声だった。
きっとぼくが不安な声を出していたからだ。
昨夜、ぼくは暗い詩をこってりと書いたからだ。
ぼくは心の体調が悪かった。すこぶる悪かった。
少しでも吐き出すしかなかった。
その一部が猫にあたったのだ。
だから不穏な獣声を出した。
ごめんね、ピノ子。
だが今日は透明な羊飼いに会えた。
たった3分、それで十分だった。
心を覆っていたものが落ちた。
心が軽くなり透明になった。
透明な羊飼いのおかげだ。
それを詩にしてみた。
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