幸せならぽっちゃりでもいい。

ピノ子と窓辺のデートをした。まず昨日言ったことを謝った。「ぽっちゃりなんて言ってごめんね。君が世界イチ美しい猫さ」

たっぷり撫でてやった。ゴロゴロ言った。コイツはどこか愛情不足で育ったらしくて、すぐにゴロゴロ言うのだ。騙されてはいかん。たっぷりたっぷり注ぐ。だから甘やかして、ぽっちゃりになったの（笑）ぼくは話しかけた。

昨日ね区役所の戸籍係に行ったんだ。そしたら新婚さんがいた。戸籍係が離席したら、スマフォでふたりで自撮りしてさ、微笑ましかった。よっぽど撮りましょうか？と声を掛けようと思ったけれど、ほらぼくは、婚姻を解除しに行った人だろ。不吉だからやめといた。

世の中、いろんな夫婦がいるもんだ。夫と妻は争っている。ささいなでも重大な問題で争って、子供はその犠牲になっている。問題はどっちが正義かということでね。夫は見た目はふつう、礼儀正しい人だけれど、ぼくは話しを聞いていたら、直感的に変だなと思った。そしたらわかってきた。夫も妻も支配し合っている。支配対支配という戦争があるみたいなんだ。愛情ってくるりとなることがあるのかな。

一番近いはずの家族が、一番遠くなる。そういうことが人間にはある。猫の世界はどうなの？えぇ、にゃいって？（スミマセン…）

ぼくはそんな人の姿をありのまま描きたい。まだ技量は高くないけれど、しっかり人を描きたい。なぜってさ、大きなことを言えばね、愛情なく育った人が増えた社会へ警鐘を鳴らしたいから。それが結婚を失敗させた自分へのせめてもの罪滅ぼしでもあるから。そして願い続ければね、幾つになってもホントに愛する人を見つけられるって物語を綴りたいから。

君はぽっちゃりだけど、ありのままでいい。自然体が人も猫も一番さ。幸せならぽっちゃりでもいい。ごめんね、傷つけてしまって。