直したばかりの網戸をピノ子がひっかくのでピノ子をひっかきたくなった…^^;
みれば網戸の向こうに!…まさかのG?いや動かないから黄金虫らしい。ピノ子が網戸を裂かないように、ぼくは祈り、歌った。
すると携帯にメッセージが入った。ぼくの歌が下手だというのだろうか。
「黄金虫の歌のホントの意味知っている?」
「お金持ちじゃないの?」
「ちがうわ。実は貧乏なの」
「ええ?」
「飴を買ってきた。それには毒が含まれていて子を殺し、親も死んだ」
「一家心中か…」
調べると歌詞は野口雨情による。発表は大正11年、41才の作品である。20代で放浪し、30代で新聞記者をした後、家業を継いだものの倒産。離婚もした。アラフォーの頃、童謡に傾注しだした。根っこには絶望があるはずだ。思へば野口雨情の歌はどれも寂しい。
しゃぼん玉 飛んだ 屋根まで 飛んだ 屋根ま で飛んで こわれて消えた
『しゃぼん玉』はふたりの娘(どちらも幼くして死去)を歌ったものとも言われる。『青い眼の人形』の歌詞は「青い眼をした お人形は アメリカ生れの セルロイド 日本の港へ ついたとき一杯涙をうかべてた」と泣いている。『赤い靴』に至っては「女の子異人さんに つれられて行っちゃった」。彼の描く人間も国際交流も悲しいものだ。
ゆえに黄金虫は「ゴキブリだ、いや黄金虫」と論争があったが、どちらも違うのだ。黄金虫とは貧乏な虫けらの我が身にちがいない。詩作や童謡で久々にコガネが入った。カネ蔵を建てる妄想した。だが実際には原稿料では水飴しか買えなかった。それを舐めてなんとか生きた。
だがこうも思う。水飴には一筋の光が差していた。
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