猫は冷たいのがお好き。冷たいアルミ板の猫。ニャンと言われてもこの上が好き。
誕生日プレゼントにもらった。猫のじゃない、ぼくの誕生日にだ(笑)でもこれでいい。気に入ってくれている。ピノ子が好きなことならぼくもハッピーだから。
医師取材のテープ起こしがようやく終わり、ほっとひといき。こっからがスタートだ。対話をすべてアタマに入れて、その医師に関するあらゆる太幹枝葉末節の情報を集め、脳内を綿菓子製造装置にして、棒をぐるぐるさせてまとわりつく言葉を待つ。
そこにひとつ、ワークライフバランスというテーマがある。
仕事か家庭か二者択一ではなく、時間の持ち方や仕事選び、役割分担、産休育休などでバランスよくやるための方法であり支援である。だが遊ぶために働くのでは本末転倒な気がするし、つまらない仕事に埋没もしたくない。どっちつかずじゃせっかくの人生、つまらない。どっちかに振れる覚悟もいる。
ワークライフバランスは“シェア”であると言う。
ある時期は仕事、ある時期は子育て、ある時期は…と、3年5年あるいは10年というタームの中で、ライフバランス•シェアをつくるべしというのだ。
その通りだなって思うが、テープ起こしを終えて凝った肩、眼精疲労の目を擦って猫を見ると、こやつはうまく生きているなと思った。ああ…なるほど、ワークライフバランスに一番大切なことがわかった。
それは愛。愛が支点にないといかん。
愛が支点にあればこそ、自分を仕事に振れるし、家庭にももどせる。愛が無いとギッタンバッコンで壊れる。ぼくのところは愛が無くて家庭シーソー板が外れた。仕事の難局も踏ん張りが効かなかった。
愛とは時にアルミのような冷たさで「がんばりなさい」と鼓舞し、時に膝の上で「よしよし」の温かく迎えてくれる。
原稿の始点が定まってきた。
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