難儀なテープ起こしを終えた。アタマはめちゃくちゃ良い人であるが、ただひとつ欠点がある。「滑舌が悪い」…^^;
インタビューアを泣かせ、テープを起こす人を号泣させる。ぼくはこれまで知性も野性も教養もある人のテープ起こしを数百人やってきた。たいていは理路整然と話す人なので、1時間半でもそうはキツくない。だが今回ほど聞き取れない人はいなかった。
喋りは人を表す。喋りの特徴を挙げてみよう。
早口。女性に多い。スピードも面倒だが、端っこが切れて書き取りにくい。文としての構造が崩れており、ぎゃーとかあのあの…とか(笑)聴き手におもねることが多い。
ダラダラ。これはきらい。男女問わず「論ずる、思いを言う」タイプ。具体的な話しがなくて書き取りすると眠くなる…zzz
要するに。要するにを連発する人に限って要するに結論がない。
大声。男性に多い。なぜ大声になるかというと、考えを相手に伝えようとするからだ。それがゆえに威圧的になる。威圧的になると人は逃げる。プレゼンが得意と威張る人はたいていこれだ。
小声。女性に多い。小声でもしっかり話してくれると書き取りやすい。聴く耳にも心地いい。威圧的に大声で喋っても相手には伝わらない。囁くように語る方が聞いてくれるものなのだ。
猫。けっこういろんなことを喋っているものだ…飼ってわかった。
呼吸と喋りが合わない。稀に言葉と呼吸が合わない人もいる。吐き出す息と出す声のタイミングがズレている。ひょっとしたら気管支の病気かもしれない。
良いスピーカーは、滑舌が良くて、具体例があって、笑いをとれて、結論がある。語彙も豊富なら警句も語る。それはテープ起こし屋の夢であろうな(^^)
テープを聞いていつも思う。人は伝えるために喋るのではなく、発散するために喋るのである。良き発散、良き対話、良きインタビューなのである。
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