安いのがいいの?

デフレを終わらせるため、どっかで価値観を大逆転させないとダメだ。

日経の記事『安くて早いの裏で…ネット通販 黒子の疲弊』がガツンと来た。「送料無料」「込み」のウラ側にある運送業界の悲鳴。減量経営の次はコストダウンを下に転嫁する。配送品質を下げるだけでなく(そういえば最近の配達人、いつも新入りでプロが少ない)事故が起きることにもなる。

受取人不在が当たり前も問題。ぼくは郵便なら近くの局留めにしてもらう。でも宅配はそうはゆかない。配送二度手間で無料ではねえ…。コンビニ受け取りだけでなく、空き店舗で無人ロッカーもできそうだが。

しかし問題は運送業界だけじゃない。日本全体のデフレマインドである。

フリーミアムというワケわかめの言葉を流行らせて、無料ビジネスを正当化するなんて恐ろしいと思った。案の定、IT革命の後、日本のいや世界のあらゆるところで無料やデフレが増えた。

一冊500円の本が送料無料はありえない(しかもAmazonの取り分がでかいのはひどい)。観光バスの事故も元はデフレマインドだし、介護施設の殺人も、保育園が少ないのも人件費のしわ寄せというデフレ。気になるのが道路や建設工事の「誘導のバイト」、誘導せずに立つだけの誘導員もいる。危なくてしかたねえ。

対価をちゃんと払うのが当たり前に戻らないと、日本の良さ、すなわち安全や品質、おもてなしが損なわれてしまう。

そのためにどうするか。もちろん政治家や金融家の出番だ。金持ちと貧乏人の二極化が進もうと消費増税になろうと、経済政策は頭脳明晰な人びとにお任せするしかない。ぼくがひとつお奨めするのはこれだ。

文化に金を出そう。

全国各地の伝統芸能や大衆芸能。音楽や民謡や舞踏、絵描きや彫刻、書道や詩人や作家、およそ儲からない文化活動にお金をまわすのだ。合理性•効率性を求めてきたツケが現代の構造不況の根底にある。やる気の衰退をもたらしてる。心の病気を増やしている。だから非合理なものにお金を投じて価値観を転換しよう。

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でっかいセメントの器に2,000億も出すスポーツ偏重のニッポン、文化予算は最低なのだ。文化という不要不急なものにお金を出せる国こそ、真に豊かな国である。

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