ハンバーグ•バイアス

英文和訳翻訳の仕事を仕上げた。IT技術を用いたウェブサイト分析の調査論文。どうも一カ所、しっくりこない。

the results may be biased downward,

結果にはdownwardにバイアスがかかる」なんじゃそれ?(笑)前後を読めばわかりそうなものだが、どうしても「downward」がわからない。「下方へ」「落ち目に」「すべてにわたり」と辞書にはあるが、翻訳とは辞書を使うことじゃない。真意がわからないとテキトーになる。

一晩置いて改めて読むと、後の方に「relative choice」と「behavioral economics」というワードがあった。どっかで聞いたことがある。前者は「合理的な選択」、後者は「行動経済学」と訳されている。学術的にこんな意味がある。

「人は常に合理的選択をするとは限らない」

たとえば昨年450万の給料が今年は500万になると言われると喜ぶ。一方、去年も500万、今年も500万だと喜ばない。経済的には同じだし、去年と今年を連結すればむしろ50万の差がある。だが人はそう感じない。

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花見をしながら、スーパーに買い物に行くと、99円のキャベツがあった。「得した」とホクホクしてカゴに入れた。ところがいつも128円で買う山崎パンが158円だった。「まあいっか」と買ってしまった。結局128円でキャベツを買ったことになる。まったく得してない(^^;

downward、下にゆくと高く感じて、上にゆくと安く感じる。上昇志向といえば聞こえがいいが、人は非合理的に錯覚をする。

「ポイント10倍と2割引のどっちを選ぶ?」と言われて、大きな数字の「10倍」を選ぶのもそれ。100円の商品なら10円。正解は2割引きの20円引きを選ぶべし。これはupwardにバイアスがかかる例である。

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昨夜ハンバーグを4つ作り溜めした。半額の合挽と玉ねぎ•人参•卵…1個あたり60円くらいだ。だが明日のお昼のお弁当は、ご飯だけ持参して総菜コロッケを買おうと思った。恐らくコロッケの方が高いし、中身はヤバいかもしれないのに…。なぜかハンバーグを貴重だと思う「ハンバーグ•バイアス」がかかった

ちゃんと深く理解して翻訳するのは楽しいものだ。

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