アプリで呼べる。

久々に吠えちまった。コンサル魂が燃えた…いやガッカリして燃え尽きた…

ある会社でのミーティングである。テーマは「10年後の商品開発のタネを探せ」。その分野で何十年もやってる。だが何十年やっているからかえって見えないこともある。まさにそれ。

「お客さんに問題ないですかとヒアリングしました。これこれと言っていた。じゃあこれはダメだな。これもだめだ」という報告。ちょっと待って。そんな直線思考で仮説が生まれっこない。「抽象化思考」がまるでできない。しかも「今は無い」だけでしょ。商品開発って「未来のこと」でしょ?

例を挙げよう。あるゼネコンの話である。建築現場での成功事例を挙げてくださいというと『トイレに毛布』といった。

現場へのトイレ便器搬入ある。便器を傷つけないようにどうやって運ぶか?普通の梱包じゃだめだ…とあれこれ考えた挙句「毛布でくるめばいい」となった。傷無しで運搬できた〜チャンチャン♬という事例。

低コストだし特別な包装もいらない。引越屋は昔から使っている。問題はこの後である。「ではそれを他に生かせませんか?」というと何にも出ない。思考停止、トイレ以外思い浮かばないという。

そんなことはない。例えば「くるむ」を他の建築資材に展開できる。傷をつけない「くるみかた」もノウハウになる。「運搬器具」も開発できそうだ。くるむための「素材」もある。毛布よりもっといい梱包材がつくれる。ノウハウを積めば「でかい壊れ物をキズつけない運搬サービス」ができる。あるいは「キズを付けない建築管理」というノウハウも生まれるかも。

本質を捉えて、他に展開することを抽象化思考という。むつかしくない。どこでもトレーニングできる。

その会社から出たら道に日本交通のタクシーが止っていた。ドアにこうあった。

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「アプリで呼べる」

呼ばれたのか走り去った。タクシーの本質は「つかまえたいときに来ない」である。それに気づいて新サービスが生まれた。抽象化思考、かくあるべし。

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