先日中村さんと、後楽園のドイトに行って木材を買った。あるものを作ろうという魂胆。それで今日は鋸でジョコジョコと木材を切断した。
ふと角材を見ると模様がある。いや模様じゃない。割れだ。切られた後に割れてほとばしったようにも見える。角材になってまで割れるとはなんてやつだ。
彼ら木材の故郷、お山へ行ってみよう。
根っこが大地についているときなら、土地の力、お日様の力、雨の力を借りてのしのしと育つことができる。だが一度伐採されれば、残された自分の力だけが頼りだ。丸太をぼつんぼつんと切断され、乾燥機に入れられてカラカラになる。皮を剥がれ、丸かった体を無理やり角にされて規格品になる。
うんとこうんとこと川を下り(昔木材は川を下った)、びゅんびゅん高速道路で揺られて、流通経路に乗ってゆく。物流センターでひと休み。そこが削がれた仲間達と語らう最後のチャンスだ。
おい、お前ずいぶんこざっぱりしたな。
お前こそ、色白になっちゃって。
何言うか。ほらまだフシだってあるし棘だってある。
ほんとか?節穴じゃないのか。
そんな会話も一本二本と離れ離れになって立ち消えになり、いよいよ店舗デビューである。中村さんは売場で彼ら一本一本を比べた。
「コイツ、ひん曲がってますね」
「ちょっとね」
ずいぶん曲がっているのもある。
「なるべく曲がってないのにしないと」
何本も見比べて決めたのがコイツら木材6本だった。まっすぐばかりを集めたはずなのに、そのうち一本はV字で割れて、液をほとばしらせている。ひょっとしたら、昨夜置いてあるギャラリーの隅っこで、ぴゅわっとほとばしったのだろうか…?
ぼくもかくありたい。男も女も液が出るうちが花なのだ(^^)
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