♪傘がない 直さなくちゃ ぼくの傘を直さなくちゃ♪
立て続けに傘が壊れた。1本は関節が折れ、もう1本はスネが折れた。もう1本はなんだか忘れた。ともかく傘修理金具を東急ハンズに買いに行った。
傘直しは好きだ。キューブの持ち手のトプカピ傘は気に入っている。薄いベージュは母の形見である。まだまだ現役で使いたい。鼻歌を歌いながら始めた。メロディは髪の毛もじゃもじゃのシンガーさん。
♪都会では 傘を捨てる 人々が 増えている♪
♪今朝もまた 駅の 片隅に捨てられていた♪
♪だけども 問題は 今日の雨 傘が壊れた〜♪
♪直さなくちゃ ぼくの傘を直さなくちゃ♪
♪傘をリサイクルしなくちゃ ハンズで〜♪
骨と骨の結節部の破損。ここはジョイント部がある金具に丸管を通してはめ、ぐいっと締める。
ベージュの傘はジョイントの丸管を入れるだけで治った。
偽バーバリー柄は糸が取れていただけだった。折りたたみ傘では糸は大事なジョイントでもある。
ビニール傘が市民権を得てから傘を直す人はめっきり減った。無惨に道に転がる壊れた傘を見るとなんだか寂しい。
なぜか。傘って人に似ているから。
ドーンと開く傘人も入れば、どこか折れてる傘人もいる。でっかくて無骨な傘人もいれば、きゃしゃで細い傘人もいる。元気なジャンプ傘人もいれば、錆びた傘人もいる。
だから治してやりたくなる。折れたら継げばいい。外れたら縛ればいい。ギリギリまでがんばればいい。
傘を修理しなくなったことと、雨の日に傘を傾けて避ける人が減ったことは、つながりがあるのだろうか。
なにしろ傘には助けられた。涙流した頬を隠してくれた。ほどけてゆく心を、雨の粒と雨音が癒してくれた。心の紐をゆわいてくれた。
だから傘は修理すべし。
コメントを残す