ぼくのハロウィン

電車の中で、子供のほっぺたにコウモリが飛んでいた。マスクのウラから出てきたみたいなフェイスペインティングだった。

コウモリは都会でもけっこう飛んでいる。見たことはないけど、実はぼくは飼っている。心の中にいるのだ。そいつは真っ黒。小心者だからサイズは大きくない。そいつは心のあちこちパタパタと飛び回って、いたずらかごちそうかとキーキー言う。

試しにいたずらをというと、心に黒いペンキを塗ってくれる。しばらく心が暗くなって、身動きができなくなって困る。ペンキが剥げてくる頃、またやってくる。今度はごちそうをというと、心の凝ってるところを揉んでくれる。時に鉛筆をくわえて飛んでくることがある。

コウモリは「書けよ」という。数ヶ月前それがあった。

歌の上手なコウモリ男が「こういう物語を書いてくれませんか」とぼくに言った。平安時代の物語とからめたその発想はおもしろいと思ったので、引き受けた。受けたはいいが、その前に書いた物語に手間取った。構想もまとまらなかった。

まずいな…と心の中に鍾乳洞ができた。出口の無い仕事って意味だ。

ところが今日会える予定があった。それで1週間前から書き出した。睡眠を削り健康を削って今朝までに3万2000字書いた。話しは粗いし、人物造形は甘い。表現も凝りが少ないし、文量も想定の1/3。だけど、まず書いて読んでもらえ。試作文を手渡した。

テーマは人と人が理解しあえる世の中。心の壁をとっぱらって、ひとりぼっちをぶっとばす。でもラストシーンは「幸福な悲劇」なんだよな。書いてゆくうちに変わるかもしれないけれど…

実は他にも「こういう話し書けますか?」という依頼がある。お金になるかどうかはさておき、時間がかかっても取り組む。書くことはぼくの寿命をのばす唯一のごちそうなので。

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古城さんに頂いたハロウィンキャンドル。ぼくのはスパンキーな一番左(^^)

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