慢性腰痛の秘密

「病は気から」とは言うが、それがサイエンスで証明される時代になった。幻の痛みが消える頃、医療サービスも変わってゆくだろう。

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ぷるんぷるんしているゼラチンは本文と関係がない。美味かった。さて、日本人の4人にひとりは腰痛の体験者という。ぼくも一度あった。あんなに痛いものだとは思わなかった。起き上がるのがつらい。身体を捻るのがつらい。痛みにつかまれる感じがした。身体を動かすのがおっくうになった。

だがゆっくりストレッチをして、ヨガポールで背骨を伸ばして数日後、良くなった。結果的にそれで良かったと、腰痛がテーマのNHK番組を2本見て納得した。

2回に渡るTV番組(2008年と2015年)を通じて語られるのが「慢性腰痛は脳のリハビリで治す」である。ギクっとのぎっくり腰は、骨や筋肉の異常である。それは治療やストレッチしたり歩くことで緩和されてゆく。だが身体が治っても、脳の神経回路が興奮しっぱなしで「治ってない」と信号を出し続け、それが慢性腰痛になる症状がある。それが問題になってきた。

メカニズムはこうだ。身体的な腰痛は脊椎から視床を通じて脳に痛みが伝わる。だが心因性の痛みは、前頭葉のある部分から「痛い」信号が出る。逆なのである。それはDLPFC(背外前頭前野)と名づけられた部分で、痛みやストレスによってその部位の活動が衰える。すると「まだ腰痛は治ってませんよ」と信号を出す。患者はますます痛みを感じて痛みが慢性化する。つまり「幻の痛み」に苦しむ。

凄い。どうして「心の問題だ」と気づけたのだろう?

普通の医師の診たては、X線やMRIの所見から「異常なし、お大事に」。だから慢性が慢性のままだった。一方、手術をきちんとしても痛みが消えないという事実があった。それはおかしい。痛みとは奥が深いものだと気づいた医師もいた。

その気づきは「患者の痛み」に向き合った医療をしたからだと思う。「患者に聴く」ところから始めたからこそ、腰とずっと離れたところに原因を探ることができた。それは当たり前だが、処方して終わりという医療もまた当たり前である。

そこから腰痛治療に「精神科の認知行動療法」も生まれた(今は保険適用外)。近未来の整形外科は「心療整形外科」と標榜するかもしれない。

番組を見て、これから書く原稿の骨も見えてきた。「人のもつ痛み」ーそこから描いていこう。

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